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2018年12月27日

GOSAT-2が無事打ち上げられました!

【行事報告】

松永 恒雄

ロケット打ち上げの写真
写真1 H-IIAロケット40号機の打上げの瞬間

 2018年10月29日(月)午後1時8分に温室効果ガス観測技術衛星2号「GOSAT-2(いぶき2号)」が、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の種子島宇宙センターからH-IIAロケット40号機により、無事打ち上がりました。GOSAT-2は2009年1月に打ち上げられ現在も観測を続けている温室効果ガス観測技術衛星「GOSAT(いぶき)」の後継機で、環境省、JAXA、国立環境研究所(以下、国環研)の共同プロジェクトとして開発されました。その目的は主要な温室効果ガスである二酸化炭素やメタンの大気中の濃度を5年間にわたり観測することです。

 GOSAT-2は打上げから16分後にロケットから切り離されました。その後太陽電池パドルの展開や各種機器等の立上げ等が行われ、翌30日にはクリティカル運用* の終了が宣言されました。現在は約2.5ヶ月間の初期機能確認運用期間へ移行しており、衛星全体及び観測センサ等の搭載機器の機能確認を実施しているところです。また11月9日にはGOSAT-2に搭載されたカメラ(CAI-2)の初画像も公開されました。

 国環研からは筆者のほか立川理事、木村環境情報部長、今瀬広報係長、成田カメラマンがGOSAT-2の打上げに立ち会いました。当日は低い雲が少しあったものの概ね晴れており、穏やかな海を背景に打ち上がったロケットが白い雲を突き抜け青い空を上昇していく素晴らしい光景を目にすることができました。

 GOSAT-2の本格的な観測は2019年初めに開始される見込みです。また国環研では今後JAXAからのレベル1プロダクト(衛星で観測された光の強度)の定常的な受信やレベル2プロダクト(二酸化炭素の濃度等)の作成等に取り組みます。なおレベル1プロダクトは2019年7月頃の、レベル2プロダクトは2019年10月頃の一般公開を目指しています。

*ロケットからの衛星分離後の太陽電池パドル展開、定常状態で使用する機器の立上げを実施した後、姿勢制御系を定常運用で使用する制御モードに移行するまでの運用。

上昇するロケットの写真
写真2 上昇中のH-IIAロケット40号機
ロケットを地上から見つめる人たちの写真
写真3 H-IIAロケット40号機の軌跡を見続ける関係者(打上げ後2分)
GOSAT-2から観測された地球の画像
写真4 GOSAT-2に搭載されたカメラ(CAI-2)の初画像(2018年11月5日撮影)(JAXA)

(まつなが つねお、衛星観測センター)
 

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