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2018年3月15日

観測と数値予報を統合したPM2.5注意喚起手法の改良

国立環境研究所研究プロジェクト報告 SR-128-2017

表紙
SR-128-2017 [5.77MB]

 日本におけるPM2.5の環境基準は平成21年に設定されました。平成25年初頭に報道等により、一般のPM2.5に対する関心が突如高まったことを契機に、環境省の専門家会合での検討の結果、PM2.5の日平均濃度が70µg m-3を超えると予想される場合に各都道府県は注意喚起を発令することとなるとともに、早朝もしくは午前中の観測平均濃度を基に判断する手法が提示されました。しかし、それらの手法では注意喚起を発令しないのに実際には高濃度になったり(見逃し)、逆に、注意喚起を発令したのに実際には高濃度にならなかったり(空振り)する確率が低いとは言えませんでした。

 このような背景を踏まえ、国立環境研究所では大気汚染予測システムVENUSの改良を進めるとともに、主として観測濃度データを用いたPM2.5注意喚起の判断手法の改良について、研究を進めてきました。

 その結果、午前中の観測濃度の増加傾向に着目した判断手法を用いると注意喚起の空振りする率を大きく上げることなく高濃度の予想の見逃しを大きく減少させられることが明らかになりました。また、午前10時から12時の濃度レベルに着目した別の判断手法を用いれば、注意喚起の空振りする率はかなり上昇してしまうものの、見逃しを非常に小さく抑えることが可能であると明らかになりました。

 本研究成果にさらに改良を加えることにより、簡便かつ精度を大きく向上させた注意喚起の判断手法に結び付き、一般の関心に応えるものになることが期待されます。


(国立環境研究所 地域環境研究センター 菅田 誠治)