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2011年4月11日

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国立環境研究所の研究情報誌「環境儀」第40号「VOCと地球環境−大気中揮発性有機化合物の実態解明を目指して」の刊行について(お知らせ)

(筑波研究学園都市記者会、 環境省記者クラブ同時配付 )

平成 23年4月11日(月)
独立行政法人国立環境研究所
企画部長 : 齊藤  眞 (029-850-2302)
環境情報部長 : 岸部 和美 (029-850-2340)
環境儀WGリーダー : 西川 雅高 (029-850-2495)

 国立環境研究所の研究成果を分かりやすく伝える研究情報誌「環境儀」第40号「VOCと地球環境−大気中揮発性有機化合物の実態解明を目指して」が刊行されました。

 大気中に存在する揮発性有機化合物(VOC)は、光化学オキシダント生成、エアロゾル生成、成層圏オゾン破壊、地球温暖化など、多くの環境問題に関与しています。その発生源は多岐にわたりますが、発生量としては自然起源のものが約9割を占め、陸上植物からはテルペン類などが、海洋からは硫黄化合物やヨウ素化合物などが放出されています。今後の気候変動によってこれらの発生量やその分布が大きくかき乱される可能性があり、そのことによって環境/気候に対してどのようなフィードバック効果が引き起こされるかが今、大きな関心を集めています。また、特定フロン類に替わって生産・使用されるようになった代替フロン類は、強力な温室効果気体として温暖化防止のための京都議定書などで規制されていますが、大気中での蓄積は現在も続いています。これらの排出実態を正しく効率的に把握して削減政策に役立てることも差し迫った課題となっています。

 今号では、これら2つのテーマについて、大気中VOCの観測研究を長年続けてきた化学環境研究領域動態化学研究室の横内陽子室長が、これまでの成果を研究の背景及び動向とともに紹介しています。

1 第40号の内容

 地球を取り巻く大気圏には、様々な揮発性有機化合物(VOC)が存在しています。自動車排ガス中の炭化水素や工業製品として作られたフロンなどが、都市の光化学オキシダントやオゾン層破壊などの問題を引き起こしてきたことはよく知られています。しかし、こうした人為起源VOCの他に自然界からもVOCが放出されており、例えば、地球上の植物が出すVOCの発生量が年間10億トンにも及ぶことなどは、あまり知られていません。植物起源のVOCは人為起源VOCとは違った成分ですが、やはり大気中の反応に関わったり、成層圏オゾンを壊したりしています。また、海洋から放出される硫黄を含むVOCは雲の素になるエアロゾルを作ります。それらの存在は私たち人間や現代の動植物には都合のよいものだったはずです。しかし、そのバランスは大気汚染や気候変動によって乱されるかもしれません。

環境儀第40号表紙写真

 国立環境研究所では、このような地球環境と深く関わっている自然起源VOCについて、人為起源VOCと同様に、その発生〜変質〜影響を解明するための研究を進めてきました。その中から、(1)植物起源VOC研究の黎明期にα-ピネン(テルペン類の一種)の反応生成物を特定し、森林エアロゾル中に大量に存在することを示した研究、(2)自然の成層圏オゾン破壊物質として知られる塩化メチルが、それまで信じられていた海洋起源ではなく、主に熱帯林から放出されることを明らかにした研究、(3)海洋から放出されるヨウ素や臭素を含むVOCのグローバルな分布や発生量を明らかにした研究について、その成果と意義を分かりやすいコラムや概略図を交えて解説しています。また、人為起源VOCについては強力な温室効果気体として問題になっている代替フロン等ハロカーボン類について、リモート地域における高感度・高精度・高頻度の多成分モニタリングを立ち上げて、各代替フロンの蓄積状況と東アジアにおける排出分布の解析に活用している例を紹介しています。

内容概要は次のとおりです。

 (1) 研究担当者へのインタビュー

  * 横内 陽子(よこうち ようこ)
  化学環境研究領域 動態化学研究室長

 (2) 研究成果のサマリー及び国内外の研究の動向の紹介

 (3) 『自然起源VOCの観測研究』

 (4) 『人為起原ハロカーボン類の観測研究』等

2 閲覧・入手についての問い合わせ先

  • 「環境儀」は、研究所のホームページで閲覧することができます。

 

  • 冊子の入手については、下記へお問い合わせ下さい。
     連絡先:国立環境研究所 環境情報部情報企画室出版普及係
     (TEL: 029-850-2343、E-mail:pub@nies.go.jp)
     

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