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2021年9月30日

人が去ったそのあとに
人口減少下における里山の生態系変化とその管理に関する研究
国立環境研究所「環境儀」第82号の刊行について

(筑波研究学園都市記者会、環境記者会、環境省記者クラブ同時配付)

2021年9月30日(木)
国立研究開発法人国立環境研究所
編集分科会委員長     :江守 正多
  〃  事務局(環境情報部情報企画室)
       室長    :下前 雅義
       担当    :白井 大智
 

   国立環境研究所は、研究成果等をわかりやすく伝える研究情報誌「環境儀」の最新号
「人が去ったそのあとに 人口減少下における里山の生態系変化とその管理に関する研究」
を刊行します。
   近年、人口減少や少子高齢化にともない、人が住まなくなった地域が増えたことにより、豊かな生態系を支える「里山」に変化が現れています。数十年無居住化した里山では、長期的な生物多様性の劣化が生じ、森林性の生物の回復が限られることが明らかになりました。
   里山が放棄され「自然に戻る」ことで負の影響を受ける種は、正の影響を受ける種よりも多く、その影響の大きさも負の影響を受ける種が上回っています。
   本号では、里山の生物多様性の成り立ちを理解する上で重要なカギとなる「製鉄が生態系に与える影響」を解説するほか、無居住化集落(廃村)の現地調査からわかった生物相や植生が受ける影響とその実態について紹介します。

無居住化集落における学校跡と、調査中に偶然発見したたたら製鉄の残滓の写真

1 本号の内容

 国立環境研究所では、人口減少下における生物多様性の保全のため、人の活動が生態系にどのような影響を与えてきたか、管理されなくなった場所がどのような影響を受けているか、日本の里山を対象にした調査・研究を進めています。
 本号では、人間と生態系の長期的な関係の解明や、長期的な里山の放棄が生物多様性にもたらす影響を解説するほか、将来の人口減少時代にむけた生物多様性の保全について紹介します。

○Interview研究者に聞く
「人口減少時代の里山の管理のあり方とは」

 人の活動によって成立してきた里山の歴史的な背景や「たたら製鉄」が地形や植生に与えた影響、全国30か所以上の廃村を訪れ、季節ごとに行っているモニタリング調査の様子を研究者が紹介します。また、過去の人の活動が長期間にわたりその後の生態系に変化を与える影響(履歴効果)についてわかりやすく解説します。

<研究担当者>
深澤 圭太(ふかさわ けいた)
生物多様性領域(生物多様性評価・予測研究室)主任研究員

○Summary
「里山の過去と未来を明らかにする長期的視点の研究」

 人口減少によって里山の生物多様性がどのように変化するか、そのメカニズムを明らかにするためには、里山形成の歴史的背景と長期的な管理放棄の影響評価が不可欠です。
 国立環境研究所では、哺乳類分布のデータと遺跡のデータベースを関連づけ、個々の生物種に対してどの時代のどの土地利用形態の影響が強く残っているかを分析しました。
 Summaryでは、分析をもとに「製鉄」が哺乳類に与える正負の影響をわかりやすく解説するとともに、特に草原性のチョウ類が無居住化の影響を受ける可能性が高いことや、将来的に里山を継承するために地域の歴史を理解することの重要性を解説します。

○研究をめぐって
「人口減少下における里山の生態系変化に関連する研究の取り組み」

 国内外における管理放棄が生物多様性に与える影響の研究の動向や、国立環境研究所が行ってきたプロジェクトを紹介するほか、生物多様性の保全を目指した土地利用計画や、耕作放棄地におけるバイオマス利用のための植生管理など、将来の生態系サービスの変化に対する方策への活用が期待される基盤情報のWeb公開について紹介します。

2 国立環境研究所WebGIS「環境展望台」土地利用シナリオ

3 環境儀82号紹介動画

国立環境研究所YouTubeチャンネルで、環境儀82号の紹介動画を公開しています。
URL:https://youtu.be/YTUNuZOILdE【外部サイトに接続します】

4 国立環境研究所動画チャンネル

URL:https://www.youtube.com/user/nieschannel【外部サイトに接続します】

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