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2014年9月30日

環境疫学を知ろう!2環境疫学における曝露評価

コラム2

環境疫学における曝露評価

 疫学では、ある要因を持っていることや取り込むことを総称して「曝露」と呼びます。環境汚染物質への曝露とは、それぞれの人が汚染物質と接触することです。大気汚染物質の場合には、ふつう呼吸によって体内に取り込まれますので、大気汚染物質を吸入することが「曝露」になります。吸入する空気中の汚染物質濃度を「曝露濃度」ということもあります。

 環境疫学が対象とする環境要因の特性である、個人が制御できないということは、裏を返せば、個人がその環境要因への曝露濃度を知ることが困難であるということになります。そのため、環境要因への曝露状況について調べることが環境疫学では大きな課題となります。

 病気の発生に関連する生活習慣は、調査対象者に尋ねれば調べることができます。もちろん、この場合でも人の記憶に頼ることになりますので、100%正しいことにはなりませんが。

 喫煙の例で言えば、喫煙している人がどのような汚染物質をどれぐらいの量を吸入しているかを正確に測ることは困難なので、喫煙本数がそれらの有効な代替指標となります。しかし、受動喫煙や間接喫煙による環境中タバコ煙への曝露については、「家族や職場などで喫煙する人と一緒の部屋にいますか」などの質問から間接的に探りますが、不確実性が大きいといえます。

 また、大気汚染物質への曝露量を疫学調査の対象者に尋ねても普通は誰も答えられません。そこで環境疫学を実施する側が曝露量を評価しなければなりません。

 環境疫学では環境汚染物質への曝露を直接モニタリングする方法やモデルを構築し、推計する方法など、さまざまな方法を検討しています(図2)。

図2 環境曝露評価に関するさまざまな手法

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