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2020年12月11日

共同発表機関のロゴマーク
世界のCO2収支 2020年版を公開 ~国際共同研究(グローバルカーボンプロジェクト)による評価~

(筑波研究学園都市記者会、環境省記者クラブ、環境記者会、水産庁記者クラブ、文部科学記者会、科学記者会同時配布)

令和2年12月11日(金)
国立研究開発法人国立環境研究所
国立研究開発法人水産研究・教育機構
国立研究開発法人海洋研究開発機構
一般財団法人エネルギー総合工学研究所
気象庁気象研究所
フューチャー・アース日本ハブ
 

   2020年12月11日、グローバルカーボンプロジェクト(GCP) (※1)は世界の二酸化炭素(CO2)収支の最新の評価結果を公表します。世界の多くの研究者による観測や数値シミュレーションなどのデータを用いた総合的な解析により、GCPは、2019年の地球全体のCO2収支として、人為的なCO2排出量が11.5±0.9GtC yr-1、大気への蓄積量が5.4±0.2GtC yr-1、海洋によるCO2正味吸収量が2.6±0.6GtC yr-1、陸域によるCO2正味吸収量が3.1±1.2GtC yr-1であったと評価しました※2。また速報値として、2020年の世界の化石燃料消費によるCO2排出量は、COVID-19パンデミックの影響により、前年比で約7%の減少となる見込みであることを発表します。
   この研究成果をまとめた評価報告書は、令和2年12月11日に国際学術誌Earth System Science Data (ESSD) 電子版で掲載されます。
 

※1:2001年に発足した国際研究計画で、持続可能な地球社会の実現をめざす国際協働研究プラットフォーム「フューチャー・アース」のコアプロジェクト。グローバルな炭素循環にかかわる自然と人間の両方の側面とその相互作用について科学的理解を深める国際共同研究を推進するため、日本(国立環境研究所)とオーストラリア(CSIRO)に国際オフィスが設置されている。
※2:CO2収支の単位はGtC(ギガトンカーボン)yr-1(1Gt = 1Pg=1015g)で表します。なお、「CO2収支」の原文での表記は「carbon(炭素) budget」となっています。

   GCPは、Earth System Science Data誌に掲載される論文「Global Carbon Budget 2020」において、地球全体のCO2収支の直近10年間(2010-2019年)の平均が、人為的なCO2排出量(化石燃料消費および土地利用変化によるCO2排出量の合計)は10.9±0.9 GtC yr-1、大気への蓄積量は5.1±0.02 GtC yr-1、海洋によるCO2正味吸収量は2.5±0.6 GtC yr-1、陸域によるCO2正味吸収量は3.4±0.9 GtC yr-1であったことを示しました。また、2019年の収支は、人為的なCO2排出量が11.5±0.9GtC yr-1、大気への蓄積量が5.4±0.2GtC yr-1、海洋によるCO2正味吸収量が2.6±0.6GtC yr-1、陸域によるCO2正味吸収量が3.1±1.2GtC yr-1であったと評価しました。さらに、速報値として、2020年の化石燃料消費によるCO2排出量が、COVID-19パンデミックの影響により、前年比で約7%の減少となる見込みであることを示しました。
   様々な観測や解析に基づく世界のCO2収支の評価は、詳細に解析が行われた1959年から2019年の期間について、平均値や長期傾向については整合しているものの、経年的な変動に関しては依然として最大 1 GtC yr-1の不一致が見られるなど、まだ改善の余地を多く残しています。特に土地利用変化による排出量や北半球中高緯度陸域における吸収・排出量、南大洋などの熱帯域以外の海洋における吸収量について、異なる手法による見積もりに不一致が見られました。GCPは、今後も継続して世界のCO2収支について評価を行い、地球表層の炭素循環に関する最新の知見を提供していきます※3

※3:GCPは、Global Carbon Budgetに関する論文を毎年作成し、人間の活動や自然の要因に由来するCO2収支の変化について最新の数値を示しています。

日本の貢献を含む国際協力

   「世界の二酸化炭素(CO2)収支」は、グローバル・カーボン・プロジェクト(GCP)が行っている大気への温室効果ガス排出を削減するための政策的議論と活動をサポートすることを目的とした、網羅的で一貫性のある科学的知見を集約して温室効果ガス動態の全体像を示す活動の一環となるものです。今回の評価は世界各地の68機関より86名の研究者が参加する国際研究チームで行われました。その中には日本の研究機関に属する6名が含まれます(国立研究開発法人国立環境研究所、国立研究開発法人水産研究・教育機構、国立研究開発法人海洋研究開発機構、一般財団法人エネルギー総合工学研究所、気象庁、気象庁気象研究所)。なお、国立環境研究所や水産研究・教育機構、気象庁は海洋CO2吸収量の評価に必要な海洋表層CO2の最新観測データを、エネルギー総合工学研究所は陸域CO2収支のモデル推計データを、国立環境研究所と海洋研究開発機構は逆解析モデルNISMON-CO2やMIROC-ACTMによる陸上・海上の地域別のCO2フラックス推計値を提供することでGCPに貢献しています。他にも日本の研究機関が実施している多くの大気や海洋のCO2観測のデータ※4がこの評価では利用されています。

※4:国立環境研究所や気象庁などが実施している地上ステーションや航空機、船舶による観測、また環境省、国立環境研究所及び国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構による共同プロジェクト温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」(GOSAT)のデータが利用されています。

謝辞

   本研究の一部は、環境省の地球環境保全試験研究費課題「海洋表層観測網と国際データベースの整備による生物地球化学的な気候変動等の応答検出」(環1751)によって実施されました。また、(独)環境再生保全機構の環境研究総合推進費(JPMEERF20142001およびJPMEERF20172001)の成果の一部が本研究に利用されました。本研究で行った数値シミュレーションは国立環境研究所および気象庁気象研究所のスーパーコンピュータシステムを利用しました。

発表論文

   本プレスリリースの内容は、グローバル・カーボン・プロジェクトにより定期的に更新される世界のCO2収支に関する報告の一部であり、次の論文の内容に基づくものです。

【タイトル】Global Carbon Budget 2020
【著者】Pierre Friedlingstein ほか86名
【雑誌】Earth System Science Data (ESSD)

資料の入手方法

   世界のCO2収支2020に関するデータ及び図をこちらから入手できます(12月11日以降)。
   ・https://www.globalcarbonproject.org/carbonbudget/【外部サイトに接続します】

ソーシャルメディア

   ・Twitter: @gcarbonproject, #carbonbudget

問い合わせ先

【本研究について】

国立研究開発法人国立環境研究所
   地球環境研究センター 大気・海洋モニタリング推進室
   主任研究員 中岡 慎一郎

   地球環境研究センター 物質循環モデリング・解析研究室
   主任研究員 丹羽 洋介
   特別研究員 Naveen Chandra

国立研究開発法人水産研究・教育機構
   水産資源研究所 水産資源研究センター 海洋環境部 寒流第1グループ
   主幹研究員 小埜 恒夫

一般財団法人エネルギー総合工学研究所
   プロジェクト試験研究部
   副部長 加藤 悦史

【報道担当】

国立研究開発法人国立環境研究所
   企画部広報室 電話:029-850-2308 E-mail: kouhou0(末尾@nies.go.jpをつけてください)

国立研究開発法人水産研究・教育機構
   広報課 電話:045-277-0136 E-mail: fra-pr(末尾に@ml.affrc.go.jpをつけてください)

国立研究開発法人海洋研究開発機構
   広報課 電話:045-778-5690 E-mail: press(末尾に@jamstec.go.jpをつけてください)

一般財団法人エネルギー総合工学研究所
   総務部 電話:03-3508-8891 E-mail: info1(末尾に@iae.or.jpをつけてください)

気象庁気象研究所
   企画室 電話:029-853-8535 E-mail:ngmn11ts(末尾に@mri-jma.go.jpをつけてください)

フューチャー・アース日本ハブ
   E-mail: noriko.kawata(末尾に@futureearth.orgをつけてください)