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活性炭・バイオチャーを含む炭素質吸着剤によるイオン性有機化学物質の吸着機構(令和 2年度)
Mechanisms of ionic organic chemicals sorption by carbonaceous sorbents including activated carbon and biochar

予算区分
CD 文科-科研費
研究課題コード
1821CD005
開始/終了年度
2018~2021年
キーワード(日本語)
吸着,イオン性有機化合物,バイオチャー,活性炭
キーワード(英語)
adsorption,ionizable organic compounds,biochar,activated carbon

研究概要

活性炭、カーボンナノマテリアル、バイオチャーなどの炭素質吸着剤はその高い吸着能から水質・環境浄化に活用中、あるいは活用が検討されている。しかしながら、近年関心の高いイオン性有機汚染物質の吸着に関する系統的研究は非常に限られている。そこで本研究ではこれらの炭素質吸着剤を包括的に対象とし、多数のイオン性有機化合物の吸着係数データを測定・蓄積し、ケモメトリクス手法による統計解析を行う。研究のゴールは炭素質吸着剤とイオン性有機化合物の間の分子間相互作用の様態を明らかにし、様々な炭素質吸着剤・イオン性有機化合物の組み合わせについて吸着の強さを予測することができるモデルを提案することである。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:応用科学研究

全体計画

研究初年度(2018)はグラファイトを固定相とした逆液体クロマトグラフィー法の確立を目指す。確立した方法を用い、2年度目に陰イオン性、3年度目に陽イオン性物質について数十種類以上の物質の測定を行う。2年度目、3年度目は同時にその他の炭素質吸着剤についても吸着実験を行い、データを蓄積する。4年度目は得られたデータを計量化学・計算化学手法により解析し、吸着係数予測モデルを確立する。

今年度の研究概要

グラファイトカラムを用いた液体クロマトグラフィによる吸着係数の測定については、保持の強い物質におけるピーク形状の改善に取り組む。溶離液に有機溶媒を段階的に添加し、外挿により水100%における吸着係数を算出する方法や、市販の分析用グラファイトカラムを用いる方法について検討する。また研究計画通り陽イオン性有機化合物も対象物質に含め、保持時間の測定を行う。質量分析計を使った保持時間測定についても検討を始めており、今後はUVや蛍光検出器では測定できない物質も対象に加える。これによりさらに多様な物質について吸着係数を測定し、イオン性有機化合物の分子間相互作用解明に資するデータの更なる充実を目指す。

外部との連携

大阪市立大学

備考

 

課題代表者

遠藤 智司

  • 環境リスク・健康領域
    曝露影響計測研究室
  • 主任研究員
  • 博士(自然科学)
  • 化学,地学
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