編集後記
本年7月に、国公研が国立環境研究所として再出発するのを記念して、前号(No.1)と本号(No2)で、OBの方々の所感や意見を論評として掲載してきました。その中で、新組織への大きな期待や激励が多く寄せられていますが、一方で、今後の行政官庁の研究所としてのあり方と、国際化時代の研究の進め方に対する心配や問いかけの声も聞かれ、所員一同、奮起して対処しなければならないと感じているところです。
これからの国際化のあり方については、国家や民族が受けついできた文化・風俗・風土などの地域性や独自性を維持・発展させることと、政治・経済の面では、世界的な均質化を進めることが重要であると言われています。研究に関しても、わが国が培ってきた方法論などを大切にしつつ、わが国固有のフィールドを充分活用した環境研究を進めて、全地球環境の保全に役立てることが重要ではないでしょうか。
さて次号では、新組織の概要と、地球環境研究G並びに地域環境研究Gで取り組むプロジェクト研究の内容を紹介する予定です。(T.T.)
目次
- 国立環境研究所に向けて巻頭言
- 不破敬一郎前所長の退官記念特別講演会その他の報告
- 地球環境保全に先導的役割を論評
- 環境モデル選択のこころ論評
- 大海に漕ぎ出せ,但しかじ取りを誤らぬように論評
- “誰が研究するのか”論評
- 国立環境研究所の発足に際して論評
- 国立環境研究所への期待論評
- 有機的な連携で論評
- 超目的と社会論評
- 新機構の国立環境研究所への期待論評
- 同じ国立試験研究機関の立場から論評
- 大学との研究交流の推進に期待する論評
- 農薬汚染の水生生物に対する影響調査環境リスクシリーズ(6)
- 地球流体中の非線形波動のモデル化と計算機シミュレーション経常研究の紹介
- 奥日光外山沢川の水生昆虫経常研究の紹介
- アスコルビン酸ペルオキシダーゼのcDNAクローニング研究ノート
- 環境週間について所内開催又は、当所主催のシンポジウム等の紹介
- 新刊・近刊紹介
- 表彰・主要人事異動