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2020年5月1日

「第35回全国環境研究所交流シンポジウム」報告

【行事報告】

企画部研究推進室

シンポジウムの写真
シンポジウムの様子

 全国環境研究所交流シンポジウムは、「環境研究に関する研究発表、意見交換を通じて地方環境研究所と国立環境研究所の研究者間の交流を図り、共同研究等の新たな展開に役立てると共に、環境研究の一層の推進を図る」ことを目的に、第1回の昭和61年以来、毎年度の第4四半期に開催されているものです。第35回目となる今回は、「変わりゆく環境・生態系・人の関わりを考える」と題し、令和2年2月13~14日に当研究所の大山記念ホールで開催され、合計170名の参加があり、地方環境研究所については、49機関から参加がありました。また、両日の延べ数で26名の一般参加がありました。

 一日目は、渡辺理事長による開会挨拶と関根環境省環境研究技術室長の来賓挨拶とがあり、それに引き続いて「気候変動適応に関わる取り組み」のセッションで5つの講演、「プラスチック問題と資源循環」のセッションで4つの講演が行われました。二日目は、「湖沼・閉鎖性水域」のセッションで5つの講演、「地方環境研における活動」のセッションで5つの講演が行われました。これらのセッションは事前に行なったアンケート調査において関心の高かったものを中心に企画されたものです。講演題目と発表者については下をご覧ください。

 
 両日、セッション終了後に総合討論を行いました。全体を通して、全てのセッションにおいて活発な意見交換がなされ、それぞれの地域の環境問題に対する各地方環境研究所の取り組みについて多くの知見が共有されました。最後、森口理事の閉会挨拶をもって終了しました。

 地方環境研究所と国立環境研究所の研究者が一堂に会し、地域環境研究の最新動向を共有し議論する貴重な機会となりました。ご講演、ご参加いただいた皆様や、企画・運営にご協力いただいた方々に深く感謝申し上げます。

第35回全国環境研究所交流シンポジウム講演題目と発表者

セッション1:気候変動適応に関わる取り組み  座長:肱岡 靖明

(1)「気候変動適応法と国立環境研究所の役割」
○藤田 知弘(国立環境研究所)
(2)「印旛沼流域における自然を活用した気候変動適応に向けた検討」
○西廣 淳(国立環境研究所)
(3)「高解像度気温観測データによる熱中症リスクの地域性の検討」
○大和 広明(埼玉県環境科学国際センター)
(4)「気候変動適応を推進するために必要な情報とは?」
○浜田 崇・井田 玲子(長野県環境保全研究所)
(5)「長野県における気候変動・異常気象の詳細解析」
○栗林 正俊・山田 恭平(長野県環境保全研究所)

セッション2:プラスチック問題と資源循環 座長:大迫 政浩

(1)「環境中に放出されたプラスチックと廃棄物管理・資源循環分野の対応」
○石垣 智基(国立環境研究所)
(2)「プラスチック資源循環とマイクロプラスチックを巡る化学物質管理に資する研究展」
○鈴木 剛(国立環境研究所)
(3)「海岸域におけるマイクロプラスチック等の実態調査について」
○伊藤 彰・岡田 裕史・岡 智也(静岡県環境衛生科学研究所)
(4)「相模湾沿岸域における漂着マイクロプラスチックの実態調査結果」
○坂本 広美1・三島 聡子1・菊池 宏海1・難波 あゆみ1・池貝 隆宏21神奈川県環境科学センター・2神奈川県湘南地域県政総合センター)

セッション3:湖沼・閉鎖性水域 座長:松崎 慎一郎

(1)「複数の浅い湖沼での底層の貧酸素化—高頻度DOロガーデータから読み取れること—」
○高津 文人(国立環境研究所)
(2)「浅い湖沼におけるメタン由来炭素の役割:底生無脊椎動物から魚まで」
○土屋 健司・松崎 慎一郎・高津 文人(国立環境研究所)
(3)「琵琶湖南湖における溶存態リンの動態とその変動要因について」
○霜鳥 孝一(国立環境研究所)
(4)「印旛沼における連続水質調査について」
○星野 武司・丹澤 貴大・中田 利明・横山 新紀(千葉県環境研究センター)
(5)「湖山池の汽水化にともなう生態系の変化」
○安田 優1・前田 晃宏1・盛山 哲郎1・羽田 智栄1・成岡 朋弘1・岡本 将揮21鳥取県衛生環境研究所・2鳥取県水環境保全課)

セッション4:地方環境研における活動 座長:岩崎 一弘

(1)「埼玉県における特定外来生物“クビアカツヤカミキリ”に関する被害の現状と取組」
○三輪 誠(埼玉県環境科学国際センター)
(2)「GC/MSを用いた油種分析による火災原因調査の支援」
○高村 範亮・八児 裕樹・常松 順子(福岡市保健環境研究所)
(3)「オンボード実験による船舶排ガス由来PMの特性評価」
○中坪 良平1・松村 千里1・羽賀 雄紀1・平木 隆年1・今 吾一2・楠 将史2・吉田 明輝2・速水 健斗2・浅川 大地3・岡村 秀雄41ひょうご環境創造協会兵庫県環境研究センター・2海技教育機構・3大阪市立環境科学研究センター・4神戸大学内海域環境教育研究センター)
(4)「中国東北部のバイオマス燃焼由来のPM2.5越境汚染に関する大気質モデル解析-2019年3月北海道におけるPM2.5高濃度汚染事例-」
○浦西 克維1,4・池盛 文数2・嶋寺 光1・近藤 明1・菅田 誠治31大阪大学・2名古屋市環境科学調査センター・3国立環境研究所・4奈良県景観・環境総合センター)
(5)「2019年3月に北海道で生じたPM2.5高濃度における時別有機トレーサー成分観測」
○池盛 文数1・浦西 克維2,3・浅川 大地4・菅田 誠治51名古屋市環境科学調査センター・2大阪大学・3奈良県景観・環境総合センター・4大阪市立環境科学研究センター・5国立環境研究所)

詳しい内容は、予稿集全文(下記のURL)でご覧になれます。
http://tenbou.nies.go.jp/science/institute/region/joint_zkksympo2019.pdf

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