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環境情報提供システム

ネットワーク

新井 正久

 平成4年に開催された地球サミットで採択されたリオ宣言において,「環境問題は,あらゆる関係者が,それぞれのレベルで参加することによって,最適な対処を行うことができる。各国は,情報を広く利用可能な状態とすることにより,公衆の自覚と参加を促進し,奨励しなければならない。」と環境情報に係る項目が原則の一つとして位置付けられた。

 また,国内的にも,環境の保全には国民一人一人の生活や事業における自発的な取り組みが不可欠なことから,平成5年に制定された環境基本法において,「環境の保全に関する教育及び学習の振興並びに民間団体等が自発的に行う環境の保全に関する活動の促進に資するため,環境の状況その他の環境の保全に関する必要な情報を適切に提供すること」が国の責務として位置づけられている。

 こうしたことから,環境庁長官官房総務課環境情報企画官室及び国立環境研究所環境情報センターでは,平成6年度より環境情報提供システムの整備について調査・検討を進めてきたところであり,平成6年末に策定された環境基本計画においても環境情報提供システムの整備について記述されている。

 環境情報提供システムでは,環境保全活動の推進のために次のような事業内容をもって,3月より暫定的な運用を開始したところである。

(1) 環境情報源情報の収集・整理・提供

 政府機関,民間団体,事業者等において蓄積されている環境情報について,情報源情報としてとりまとめ,提供や情報に関するクリアリング(案内業務)を行う。

(2) 環境情報の収集・整備と通信等による提供

 政府機関等において整備されている環境情報のうち,環境保全の推進にとって重要なものを系統的に収集及び整理し,提供に適した形態に整備するとともに,それらの情報を,そのまま又は分かりやすく編集・加工して,都道府県,民間団体,事業者等にパソコン通信やFAX通信等により提供する。

(3) パソコン通信による環境情報の相互交流支援

 民間団体,事業者等の間でのイベント,活動事例,対策技術等の環境保全活動に係る情報の交流を支援する。

 環境情報提供システムは,環境情報センターが中心となり,業務をEICネットを運営する(財)環境情報普及センターに委託して実施することとしている。運営開始当初は,パソコン通信により環境庁の公表資料を始めとする行政情報や環境情報源情報等を中心に提供を行い,8年度からはさらにFAX通信の導入を始めとする機能の拡充や提供情報の充実を図っていくこととしており,今後,国立環境研究所からの研究情報も是非提供していきたいと考えている。また,多くの方に利用していただくために,アクセス経路としては,公衆回線のほか,インターネット,商用パソコン通信サービス等からのゲートウェイを用意している。

 環境庁を始めとする行政情報や国立環境研究所の研究情報,関係機関・団体等の情報の円滑な提供が行われ,環境情報提供システムが国民の期待に応えるものとなるためには,情報作成者の理解と協力が不可欠であるが,環境情報センターが情報作成者と情報利用者との仲介を行うことにより,所期の目的が達成されるようにしていきたいと考えている。多くの方々が環境情報提供システムの会員となり,活発に利用されることを期待したい。

(あらい まさひさ,環境情報センター情報整備室長)

環境情報提供システムへのアクセス方法:

 環境情報提供システムを利用するには、まず「EICネット」に次の経路によりアクセスして下さい。

・EICネットのアクセスポイント
 03-3595-3271

・インターネット
 telnet://eic.or.jp
 http://www.eic.or.jp

・パソコン通信からのゲートウェイ
 ニフティサーブ又はPC−VANのメニュー(他のネットワークへの接続・ゲートウェイ)から
 「EICネット」を選択

・Tri-P(コールアウトサービス)
 CHXENV