編集後記
わずか数センチの雪がつくばの景色を一日で塗り替えました。個人的な話になりますが,東京で育った私には,小学生の時は雪が珍しく,「かまくら」を作ってその中で食事をする光景に憧れました。ここ10年くらいは雪も珍しい物ではなくなり,降れば帰り道を心配するだけになったのは少し寂しく思います。
さて,今年度は環境庁全体としても,従来から講じてきた環境汚染対策の一層の推進に加え,環境基本法の制定,生物多様性条約の批准など歴史的な取り組みが行われました。我が国環研にも寄せられる期待はますます大きくなっていると感じます。今回の国環研ニュースでも取り上げられているように懸案であった増築が認められたのは,国環研に寄せられる期待の大きさを反映したものと思います。完成は来年3月末の予定です。皆様のご来訪を歓迎いたします。
一方,所員の数が限られている以上,国環研として成果を上げられる研究内容もまた限られています。したがって,国環研で行う個々の研究については,これまで以上に関係しそうな研究や社会情勢の全体的な動向をしっかりと把握しながら,ネットワークの中で進めていく必要があるのだと思います。皆様のより一層のご支援をお願いいたします。(H.T)
目次
- 環境基本法時代における環境研究の展開巻頭言
- 環境リスク研究の課題論評
- 関西地域における春季高濃度大気汚染の生成機構調査プロジェクト研究の紹介
- 人工衛星搭載レーザーレーダーを用いた大気環境の評価に関する研究プロジェクト研究の紹介
- “Role of Heterotrophic Bacteria in Complete Mineralization of Trichloroethyleneby Methylocystis sp. Strain M.”Hiroo Uchiyama, Toshiaki Nakajima,Osami Yagi and Tadaatu Nakahara:Applied and Environmental Microbiology,58,3067-3071 (1992)論文紹介
- 日本国内の113湖沼におけるCOD環境基準の達成状況論文紹介
- 平成6年度地方公共団体公害研究機関と国立環境研究所との共同研究課題についてその他の報告
- 人骨をもちいた生物学的モニタリング研究ノート
- 二酸化窒素暴露と出生による酸素環境変化がラット肺におよぼす影響研究ノート
- 共同実験2棟(仮称)の建築についてその他の報告
- 地球環境研究総合推進費研究発表会ネットワーク
- 主要人事異動