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2023年1月20日

受賞のお知らせ~
天沼 絵理 准特別研究員が公益社団法人環境科学会より優秀発表賞(富士電機賞)を受賞

概要

受賞者氏名: 天沼 絵理(気候変動適応センター)
賞の名称:  優秀発表賞 富士電機賞 環境科学会2022年会 ポスドクおよび博士課程学生の部
授賞機関:  公益社団法人 環境科学会
受賞年月日: 2022年9月9日
受賞対象:  気候変動適応策優先順位付けのための意思決定分析:システマティックレビュー,環境科学会2022年会, なし ,2022

受賞者の写真

ひとこと

この度は優秀発表賞(富士電機賞)をいただき大変光栄に思います。本研究は、国立環境研究所気候変動適応センターの肱岡靖明副センター長、社会システム領域の藤井実室長、資源循環領域の中島謙一主幹研究員の指導のもと、システマティックレビューの手法を用い、気候変動適応策の優先順位を決める際に用いる意思決定分析手法の応用状況について明らかにしたものです。複数の適応策候補から効果的な策を選択するには、意思決定分析によって比較検討する必要があります。しかし、意思決定分析手法は地域や分野によって扱われている手法が異なっているため、使い分けや一貫した議論が困難な状況にあります。また、気候変動および適応は不確実性の種類が多岐に渡るため、適応策の比較にあたりそれらの不確実性を適切に扱う必要があります。そこで私たちは、各意思決定分析手法が扱うことができる不確実性の大きさや種類に着目しながら、適応策の優先順位付けを行った文献100件で用いられていた意思決定分析手法を特定し、適応分野別に応用状況を明らかにしました。その結果、既存の適応策優先順位付け研究では、気候変動の深い不確実性を考慮できる意思決定分析手法グループは水資源・災害分野の限られた範囲でしか応用されていないことが分かりました。ここから、全体的に考慮されている不確実性の程度が不足していることが考えられ、この結果は今後の意思決定分析の方法論の発展や適応策の実践につながると期待しています。今回の受賞は、適応策の優先順位付けおよび意思決定に関する研究を探求するにあたり、大きな励みとなりました。実践的に社会に貢献できるよう、今後もより一層精進して研究に努めてまいります。