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地球—人間システムの将来シナリオ分析(令和 4年度)
Future scenario analysis of Earth-Human systems

予算区分
文科省気候変動予測先端研究プログラム
研究課題コード
2226ZZ001
開始/終了年度
2022~2026年
キーワード(日本語)
気候変動
キーワード(英語)
将来予測

研究概要

国内外で脱炭素に向かう動きが加速しており、今後、どのように脱炭素社会が実現されるかについて分析することは非常に重要な研究課題である。現在すでに気候変動の影響によって様々な問題が生じており、今後の気候変動はさらに大きな影響を引き起こすことが予測される。本課題では、地球—人間システムの相互作用を考慮し、脱炭素社会が実現するための方策や、将来の気候変動が引き起こす様々な問題について分析する。
 この目標を達成するため、本課題では国環研などがこれまでに開発した地球システム統合モデル(MIROC-INTEG-ES)を活用する。MIROC-INTEG-ESでは、大気・海洋・陸域における物理・物質循環過程を記述する最新の地球システムモデルに、様々な最先端の人間活動(農業・土地利用・水管理)モデルが結合され、地球—人間システムの様々な相互作用の詳細を分析することが可能である。本課題では人間活動の記述を高度化するため、MIROC-INTEG-ES内の土地利用モデルなどの改良を行う。新たに開発されたモデルを利用し、様々な社会経済および気候シナリオのもとで気候変動リスクを予測し、気候変動対応策の有効性を分析する。具体的には、気候変動が水資源と水利用・食料やバイオ燃料生産・自然生態系・土地利用変化・永久凍土の融解などに及ぼしうる影響と、それによって生じる気候変化のメカニズムに着目した解析を行う。また、世界的な人口増加や経済発展による食料需要変化に伴う食料生産や、気候緩和策のためのバイオ燃料作物生産などをより効率的に行うための土地利用シナリオについて分析する。さらに、人間活動による農地変化などに伴う温室効果ガス排出がカーボンバジェットに与える影響などを分析する。加えて、簡易地球システムモデルを相補的に活用することにより、地球—人間システムの挙動の理解や将来予測の不確実性に関する分析を進める。

研究の性格

  • 主たるもの:応用科学研究
  • 従たるもの:基礎科学研究

全体計画

1年目:地球システム統合モデルを利用し過去再現実験を行い、観測データと比較することでモデル妥当性を検証する。さらに、地球システム統合モデルによる将来予測実験を行う。また、共同研究チームが進める地球システム−社会経済結合モデルと地球システム統合モデルの結合に貢献する。地球システム統合モデルによる過去再現および将来予測実験が得られることをもって達成の検証とする。
2年目以降:過去再現実験によるモデル検証結果を活用し、土地利用モデルなどを高度化する。様々な社会経済・気候シナリオのもとで将来予測実験を行い、気候変動リスクや脱炭素社会を実現するための方策に関する分析を行う。将来予測実験の分析結果を文書としてまとめることをもって達成の検証とする。

今年度の研究概要

地球システム統合モデルを利用し過去再現実験を行い、観測データと比較することでモデル妥当性を検証する。さらに、地球システム統合モデルによる将来予測実験を行う。また、共同研究チームが進める地球システム−社会経済結合モデルと地球システム統合モデルの結合に貢献する。

外部との連携

研究代表者: 河宮未知生(海洋研究開発機構)
共同研究機関:海洋研究開発機構、農研機構、茨城大学、京都大学、韓国科学技術院、ミシガン州立大学

課題代表者

横畠 徳太

  • 地球システム領域
    地球システムリスク解析研究室
  • 主幹研究員
  • 理学博士
  • 地学
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担当者