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社会システム分野研究(令和 3年度)
Social Systems Domain

研究課題コード
2125FP137
開始/終了年度
2021~2025年
キーワード(日本語)
社会システム,持続可能性,人間活動
キーワード(英語)
Social system,Sustainability,Human activity

研究概要

先見的・先端的な基礎研究として、環境問題の多くは人間活動が原因であり、環境質の劣化による悪影響も人間社会にもたらされることから、人間社会システムを中心に据えた一連の研究を進める。地球規模での人口、食糧、エネルギー、土地利用等と環境問題との相互関係及び地域規模での環境・経済・社会関連目標を同時達成する持続可能社会のビジョンについて、現状把握及び将来推計に必要なデータ収集や理論・手法の開発を行う。これらの活動で得られた知見を踏まえ、プラネタリーバウンダリーや地域循環共生圏といった環境保全型社会形成に資する概念の具現化に必要なデータ整備や、政策評価手法の構築、統合的な政策パッケージの提示、政策支援ツールの開発、技術やイノベーションのあり方の議論を行う。また、参加型意思決定プロセスがさらに重要となる時代において、国内外の研究者間ネットワークの他、自治体、企業、市民等との連携を強め、双方向の対話を進めつつ、環境の恵みを享受し続けるために必要な行動と対策について共通理解を醸成する意思決定手続きを検討する。さらに、個人の価値観と行動変容、将来世代への配慮、経済的効率性と社会的公平性との関係等、環境保全の背景にある理念について包括的整理を行う。以上により、持続可能かつ環境保全型の社会形成に貢献する。概ね3年後を目途に、過去から現在までの環境変化の原因(ドライバー)となっている人間社会活動関連データを収集し、因果関係を説明するためのモデルその他解析ツールや理論を構築する。また、人間社会が今後も対策が取られないまま推移した場合に想定される将来の状態を推測する。その将来に生きる世代と現世代との関係について理念的検討を行う。最終年度である5年後には、将来回避すべき状態を避け、持続可能な社会を実現するために必要な人間社会側の変化や、変化をもたらす技術革新、技術システム、社会インフラ等について具体的な検討を行う。また、これらの変化や革新的技術導入を実現するために効果的な政策について、複数の指標軸を用いて評価する。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:技術開発・評価

全体計画

 先見的・先端的な基礎研究として、地域規模での環境・経済・社会関連目標を同時達成する持続可能社会のビジョンについて、現状把握及び将来推計に必要なデータ収集や理論・手法の開発を行う。プラネタリーバウンダリーや地域循環共生圏といった環境保全型社会形成に資する概念の具現化に必要なデータ整備や、政策評価手法の構築、統合的な政策パッケージの提示、政策支援ツールの開発、技術やイノベーションのあり方の議論を行う。
 国内外の研究者間ネットワークの他、自治体、企業、市民等との連携を強め、双方向の対話を進めつつ、環境の恵みを享受し続けるために必要な行動と対策について共通理解を醸成する意思決定手続きを検討する。概ね3年後を目途に、過去から現在までの環境変化の原因(ドライバー)となっている人間社会活動関連データを収集し、因果関係を説明するためのモデルその他解析ツールや理論を構築する。最終年度である5年後には、将来回避すべき状態を避け、持続可能な社会を実現するために必要な人間社会側の変化や、変化をもたらす技術革新、技術システム、社会インフラ等について具体的な検討を行う。また、これらの変化や革新的技術導入を実現するために効果的な政策について、複数の指標軸を用いて評価する。
 

今年度の研究概要

先見的・先端的な基礎研究として、環境問題の原因であり同時に結果がもたらされる人間社会システムを中心に据えた一連の研究を進める。地球規模での人口、食糧、エネルギー、土地利用等と環境問題との相互関係及び地域規模での環境・経済・社会関連目標を同時達成する持続可能社会のビジョンについて、現状把握及び将来推計に必要なデータ収集や理論・手法の開発を行う。
(1) 地球規模での持続可能性の評価・予測への社会ニーズの把握、評価・予測手法開発の最新動向の調査、関連の統計情報、技術情報及び将来シナリオの収集・整備を行う。
(2) GHG排出量を実質ゼロにするために必要な取り組みを評価するためのモデル開発やデータ収集を行い、将来シナリオを検討するとともに、取り組みを支援するための施策の検討、評価を行う。
(3) 都市の脱炭素化や持続可能な資源利用、少子高齢化による労働力不足への対応等の諸課題の解決に資するため、情報技術を活用してエネルギーや資源の効率的な利用や管理を行う仕組みについて、予備的な検討を行う。
(4) 個人の生活・活動と地域の特性・課題にかかるデータの収集及び分析に取り組み、低環境負荷・影響とゆたかさを両立する持続可能な地域のビジョン提示に役立てる。
(5) 持続可能社会構築の実現に向けた政策の評価に資するデータ収集及び経済学的・社会科学的な政策分析手法を検討する。
政策対応研究として、地球規模の持続可能な社会の実現に向けた人材育成に取り組む。主にアジアの途上国において人材育成や政策提言、評価分析を行うことを目的として、国環研にて開発してきたモデル等のツールや分析手法の普及のためのトレーニングや政策対話等の活動を、さまざまな国際研究連携ネットワークの枠組みを活用して行う。
(1) アジア各国における現状の社会情勢や環境問題への取り組みを踏まえ、統合評価モデルの開発と
開発したモデルを用いたシナリオ開発を目的とした人材育成トレーニングを行うための基盤整備を行
う。

課題代表者

亀山 康子

担当者