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地域・国・都市規模における人為起源SLCF及びGHG排出量の定量的評価(令和 3年度)
Quantitative evaluation of anthropogenic sources of SLCFs and greenhouse gases at region, country and city scale

研究課題コード
2125AA101
開始/終了年度
2021~2025年
キーワード(日本語)
短寿命気候強制因子,温室効果ガス,人為起源,インベントリ,アジア域
キーワード(英語)
SLCF,Greenhouse gas,Anthropogenic sources,Inventory,Asian region

研究概要

気候変動・大気質研究プログラムにおいてプロジェクト2を担当する。SLCF(BC, CO, NOx, CH4)およびGHG(CO2)について、国際的な評価報告書の基礎であるとともに、世界各国で気候や大気質の再現ならびに予測モデリングに使われている排出インベントリの不確かさや相対的信頼性を複合的に診断し精度を向上させる。
本プロジェクトは、特にアジア地域、中でも国および都市スケールにおけるSLCFならびにGHGについて、人為起源排出源からの排出量を定量的に評価し、公式排出インベントリ等の検証に向けた道筋を作ることを目的とする。一連の研究を通じて、アジアで課題となっている気候変動対策と大気汚染対策の共便益を推進するための科学的根拠となる知見を提供するとともに、国内および国際的なインベントリの実務者との連携を図り、社会経済分析に有機的に繋げることで、脱炭素化や脱窒素化の面でアジアにおける気候・大気質の安定化に向けた対策提言の端緒を開く。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:モニタリング・研究基盤整備

全体計画

アジア地域および日本国内の都市域において地上、船舶、航空機による観測を行うとともに、最新の衛星観測データ等を利用し、大気化学的なトップダウン推計手法やデータ同化手法により、国別年間排出量の推移を独立に求めてインベントリ報告値と直接比較する。SLCFとGHGの異なる特性を活かし、両者の相乗効果から、国および都市スケールの排出量推計にチャレンジする。また、GOSAT-GWデータを最大限活用する。
サブテーマ1では、SLCFに注目し、観測・モデル開発・データ解析を行う。
サブテーマ2では、GHGに注目し、観測・モデル開発・データ解析を行う。

1-2年目は、アジア地域および日本国内の都市域での新規観測(地上、船舶、航空機)を立ち上げ、最新の衛星観測データ等を入手、トップダウン推計手法やデータ同化等のモデリング手法を開発する。
3年目には、地上、船舶、航空機、衛星等の観測データと開発したモデリング手法を活用して、国および都市のCO2、燃焼起源のBC, CO, NOxおよびCH4排出量を推計し、グローバル・ストックテイク等に成果を発信する。
5年目までには、確立した観測・モデルの統合的排出量推計手法により、東アジア地域の国および都市スケールにおけるSLCFおよびGHGの年間排出量を算出し、最新データを公開および発信する。こうした国別排出量の推計手法の知見をIPCC第7次評価報告書、北極評議会AMAP等にも提供する。

今年度の研究概要

R3(2021)年度は、アジア地域および日本国内の都市域での新規観測(地上、船舶、航空機)を立ち上げ、最新の衛星観測データ等を入手、トップダウン推計手法やデータ同化等のモデリング手法を開発する。具体的には以下のような活動を行う。
1) 地上、船舶、航空機等による観測ネットワークの拡充
2) 新たな分析・観測手法の開発
3) 高時空間分解能の排出量推定手法の開発
4) 高分解能のインベントリ構築準備
国地域スケールの特に人為起源のGHG収支についてはPJ1と、そして大気GHG増加に伴う将来気候変動についてはPJ3と連携しつつ研究を進める。

課題代表者

町田 敏暢

  • 地球システム領域
    大気・海洋モニタリング推進室
  • 室長(研究)
  • 博士(理学)
  • 理学 ,地学,物理学
portrait

担当者