編集後記
今年は、慌ただしい一年であった。7月に、国立公害研究所から、国立環境研究所に衣替えし、10月には、地球環境研究センターが発足した。また、遅れていた地球環境研究総合推進費もようやく内示され、徐々にではあるが新しい体制での研究が進み始めた。
地球環境研究センターでは、10月1日に発足記念式典が、10月26日には、開所記念講演会が催された。その報告記事が、本号に紹介されている。また、推進費についての紹介記事も掲載した。主任研究企画官の巻頭言にあるように、今後、地域の大気汚染や水質汚濁関連の研究に加えて、地球環境関連の研究の推進が望まれている。
私事であるが、10月末に中国との共同研究のために蘭州や新彊の砂漠化地域に2週間程度滞在する機会を得た。乾燥化し、塩類が集積した土壌。農耕を営むために、はるかかなたの山ろくから掘られた地下水路。緑化のための多くの人々の努力。そこには、多くの研究テーマが残されている。今後、この共同研究で得られた成果を、我が研究所の地球環境研究の成果の一つとして紹介する機会をもてることを楽しみにしている。(K.O)
目次
- 研究所の研究環境巻頭言
- 国立環境研究所に広い視野での研究を望む論評
- 地球環境研究センター・その第一歩その他の報告
- 地球温暖化の影響とその対策に関する研究プロジェクト研究の紹介
- バイオテクノロジーによる大気環境指標植物の開発に関する研究プロジェクト研究の紹介
- カドミウムはいかにして毒性を発現するか経常研究の紹介
- 藻類の増殖に及ぼす銅の影響経常研究の紹介
- 第6回全国環境・公害研究所交流シンポジウムの開催について所内開催又は当所主催のシンポジウム等の紹介
- 平成2年度地球環境研究総合推進費についてその他の報告
- GFDLのスーパーコンピュータ更改海外からのたより
- ニトロアレーンの変異原性メカニズム研究ノート
- 表彰・主要人事異動