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地球環境研究センター・その第一歩

その他の報告

西岡 秀三

 平成2年10月1日、国立環境研究所内に地球環境研究センターが発足し、当日これを記念して、当研究所大山ホールにおいて「地球環境研究センター発足記念式典」が執り行われた。式典には森仁美環境庁長官官房長、松野太郎東京大学教授、速水昭彦農業環境技術研究所長をはじめとした列席者多数を迎え、盛況の内に進行した。

 また10月26日には、発足記念行事第2弾として「地球環境研究センター開所記念講演会」が千代田区平河町日本海運倶楽部において行った。講演者に加藤三郎環境庁地球環境部長や樋口敬二名古屋大学水圏科学研究所長といった第一線の方達を迎えたこともあり、当日は一般参加者を含めた約250名余りもの聴講者が会場を埋めつくした。ソフトエネルギーパスのA.Lovinsロッキーマウンテン研究所長、ドイツ連邦議会のCO2抑制策の取りまとめを行ったW.Bachミュンスター大学教授といった外国人の講演には、通訳がなかったにもかかわらず多くの聴講者が、聞き入っていた。講演の合間に設けられた休憩時間には、当研究所社会環境システム部に協力を得て地球環境データーベースの一端を展示したが、そのディスプレイの前は黒山の人だかりを築く程大好評であった。さらに当日会場に足を運んでくれた方には、ちょうどこの日に創刊したばかりの「地球環境研究センターニュース」*を配布し、センターの機能と今後の活動を広報した。

 このように地球環境研究センターは無事その発足を果たす事ができたのであるが、この二つの行事への社会的関心度の高さをみても、今後の地球環境研究にかける人々のセンターへの期待の大きさが改めて実感させられた。

*なお、地球環境研究センターニュースについては1か月に1度のペースで発刊し、希望者に無料で配布する予定である。

(記念講演会プログラム)

・開催に当たって−地球環境研究センターの役割 地球環境研究センター長 市川 惇信
・挨拶 日本学術会議会長 近藤 次郎
(1)地球環境に関する日本の政策
環境庁地球環境部長 加藤三郎
(2)国際研究の中の日本
名古屋大学水圏科学研究所長 樋口 敬二
(3)環境と両立するエネルギーの道
ロッキーマウンテン研究所長 A.Lovins
(4)ヨーロッパにおける地球環境研究と政策
ミュンスター大学教授 W.Bach

(にしおか しゅうぞう、地球環境研究センター総括研究管理官)