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表彰

受賞者氏名:松橋 啓介・田邊 潔・森口 祐一・小林 伸治
受賞年月日:平成17年9月8日
賞の名称:論文賞(社団法人大気環境学会)
受賞対象:大気環境研究に大きく寄与する論文
受賞者からひとこと:
 受賞の対象となった論文「自動車に起因する大気汚染物質排出量推計手法の開発(I)-重量区分別走行量を考慮したマクロ推計-」は,大気環境学会誌第39号6巻に掲載された技術調査報告です。本研究は,自動車からの大気環境負荷の排出量の実態をできるだけ正確かつ詳細に把握するために,従来の推計手法を踏まえて,排出係数と走行量を対応させる車種や年式,速度,積載量等の区分の詳細化を行ったものです。特に,道路種別・速度域別・車種別の走行量を詳細に推計することに加えて,車両重量区分別の平均的な等価慣性重量と走行量を新たに推定することで,排出量推計の正確さを大幅に向上させることに寄与しました。(松橋)

受賞者氏名:西川 雅高
受賞年月日:平成17年9月8日
賞の名称:論文賞(社団法人環境科学会)
受賞対象:環境科学の発展に貢献する論文
受賞者からひとこと:
 今回受賞対象となった論文は,「GISを用いた茶栽培流域における水質評価法の検討」(環境科学会誌,16巻3号,155-166頁)です。環境省地球環境保全等研究費の中の地域密着型研究として行ったプロジェクト研究成果の一部をまとめたものであり,プロジェクトを推進したメンバーの,小川裕美(当時,筑波大学大学院生),中杉修身(前,国立環境研究所化学物質環境リスク研究センター長),井伊博行(和歌山大学教授),平田健正(和歌山大学システム工学部長)との共著論文です。施肥量の多少が茶のうまみに影響する一方,残存肥料が地下水汚染の原因となることから,茶栽培の施肥管理は非常に難しい問題となっています。その余剰肥料中の窒素分が硝酸態化し,流域内の地下水や表面水を汚染します。それら水試料中に含まれる施肥由来の硝酸態窒素の同位体比や多元素の濃度変化を長期モニタリングし,それらを組み込んだ新評価モデルを構築し,施肥量の増減による5,10年後の汚染状況も予測した,という内容の論文です。今回の受賞は,「現場に役立つ成果」という観点からも評価されたものと勝手に解釈しており,地域密着型研究にご協力頂いた現場関係者の皆様に,少しは恩返しができたのではないかと思っております。

受賞者氏名:伏見 暁洋
受賞年月日:平成17年9月8日
賞の名称:論文賞(社団法人環境科学会)
受賞対象:環境科学の発展に貢献する論文
受賞者からひとこと:
 環境への有害物質の排出量データを集計・公開する環境汚染物質排出・移動登録(PRTR)制度が2001年度から始まりました。受賞論文『大気拡散モデルを用いた濃度予測及びPRTRデータの検証 -ベンゼンを例に-』(環境科学会誌,15巻,1号,35-47,2002年)では,大気拡散モデルを利用し,1998年度PRTRデータをベンゼンを例に検証しました。その結果,自動車からの排出量として報告された値が約7分の1と過小であることが明らかになりました。そこで,より妥当と思われるデータ及び方法に基づき排出量を推計し直しました。その後,PRTRでは推計方法が修正され,自動車からの排出量は大きな値になりました。
 私は,環境科学の研究は社会に貢献するものでなければならないと考えていますので,この論文の社会的功績が認められたのは嬉しい限りです。今後は,現在行っている自動車排出ガス中有害成分の測定を通じて,排出量推計の精度向上に寄与したいと思っています。
 本論文の共著者である梶原秀夫氏(産業技術総合研究所),吉田喜久雄氏(産業技術総合研究所),中西準子氏(産業技術総合研究所)に謝意を表します。

人事異動

(平成17年9月15日付)
村川 昌道 配置換 主任研究企画官(主任研究企画官付)
松村 隆 転任 環境省大臣官房付(主任研究企画官)