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第11回全国環境・公害研究所交流シンポジウム

青山 銀三

 第11回目の全国環境・公害研究所交流シンポジウムが,当所セミナー委員会の主催により平成8年2月14,15日に開催された。今年度は,初日には第1部「有害化学物質に関する環境研究」のテーマのもとに8件の研究発表と総合討論が行われ,翌日は第2部「地球環境研究と地方自治体」のテーマのもとに特別講演とパネルディスカッションが行われた。

 第1部では,有機塩素化合物等の有害化学物質による環境汚染状況の調査やその研究手法に関する研究のほか,有害化学物質による生物影響等の研究発表が行われ,総合討論において研究発表を踏まえた今後の研究の方向性等について議論された。

 第2部では,石井吉徳国立環境研究所副所長による特別講演(演題:地球学のすすめ)が行われたあと,西岡秀三地球環境研究センター総括研究管理官をコーディネータとして,環境庁,全国公害研協議会,国環研からの6名のパネリストによるパネルディスカッションが行われた。

 このパネルディスカッションでは,「地方の研究ポテンシャルをどう地球環境研究に結びつけるか」をテーマに各パネリストから,環境庁の期待と協力のしかけ,地球環境研究の現状,地方自治体の国際的な取り組みの全貌,地方公共団体公害研究機関(地公研)のポテンシャル,地球環境研究現場からの期待と要望,地域と地球を結ぶ方法等について順次発言願い,これを受けた会場からの発言を交えた活発な質疑応答があり,最後に地域と地球の関係をどうつないで現実の地球環境研究の展開や施策に反映させるかまとめの議論が行われた。

 なお,参加者は,地公研を含む自治体から97名,環境庁から3名,国環研から31名,民間から6名,合計137名であった。今年度のテーマ設定にあたっては,地公研に事前のアンケートをお願いし,希望の多かったものを取り入れて企画した。次年度以降も要望等を聞きながらさらに一層の交流を深めて行きたい。

(あおやま ぎんぞう,研究企画官)


プログラム

平成8年2月14日(水)
第一部 「有害化学物質に関する環境研究(環境汚染と研究手法)」

I.研究発表

 (1)東京都における有害化学物質の排出量推定のための基礎調査
  泉川 碩雄(東京都環境科学研究所)
 (2)北九州市における低沸点塩素系化合物の調査
  徳原 賢(北九州市環境科学研究所)
 (3)有機塩素化合物、有機塩素量から見た最近の都市河川の傾向
  相馬 悠子(国立環境研究所)
 (4)農薬の分解性と環境中での挙動に関する研究
  大野 健治(福岡県保健環境研究所)
 (5)藻類群集に及ぼす除草剤影響の実験水槽を用いた解析
  笠井 文絵(国立環境研究所)
 (6)魚類へい死時の原因究明方法
  松原 英隆(福岡市衛生試験所)
 (7)長崎港におけるブチルスズ,フェニルスズ化合物及びPCBの底質中垂直方向濃度分布
  豊坂 元子(長崎県衛生公害研究所)
 (8)有機スズ汚染と巻貝類のインポセックス〜最近の調査結果を交えて〜
  堀口 敏宏(国立環境研究所)

II.総合討論

 座長:相馬 光之(国立環境研究所化学環境部長)

平成8年2月15日(木)
第二部 「地球環境研究と地方自治体」
I.特別講演

 演題  「地球学のすすめ」
 講師  石井 吉徳 国立環境研究所副所長(地球環境研究センター長)

II.パネルディスカッション

  • テーマ
    「地方の研究ポテンシャルをどう地球環境研究にむすびつけるか」
    — 地球環境研究における地方環境研究機関の役割 —
  • コーディネータ
    西岡 秀三(国立環境研究所地球環境研究センター総括研究管理官)
  • パネリスト
    古市 正敏(環境庁企画調整局環境研究技術課長)
    渡邊 和夫(    〃   地球環境部研究調査室長)
    井口 恒男(全国公害研協議会会長(岐阜県保健環境研究所長))
    上村 桂(              〃               酸性雨調査研究部会長(新潟県衛生公害研究所長))
    安野 正之(国立環境研究所地球環境研究グループ統括研究官)
    森田 昌敏(          〃           地域環境研究グループ統括研究官)