新刊・近刊紹介
国立環境研究所年報 平成2年度(A-16-'91)(平成3年8月発行)
昨年7月に国立公害研究所より改編された当研究所最初の年報で、平成2年度の研究活動、研究成果の発表状況、3センタ−(環境情報センター、地球環境研究センター、環境研修センター)の業務、研究施設の利用状況等をまとめたものである。研究活動では、社会的な要請の大きい課題が、12の特別研究及び地球環境研究総合推進費(環境庁)による7分野のプロジェクト研究として行われる一方、環境の各分野における基礎的研究を中心に地方公害研究所との共同研究も含め148課題が経常研究として実施された。このほか広範囲の共同研究遂行への要請を背景に科学技術振興調整費(科技庁)等による研究も23課題に及んでいる。研究成果については、国環研出版物(特別研究報告6、7号、研究報告128、129号、資料21〜30号)、学協会誌への誌上発表及び口頭発表の一覧が掲載されている。
国立環境研究所特別研究年報 平成2年度(AR-4-'91)(平成3年8月発行)
国立環境研究所では、総合研究部門を設け、所外の専門家の協力も得た学際的な研究体制のもとで、環境問題の解決に対する社会的な要請の大きい課題を優先した総合プロジェクト研究を、従来にもまして強力に遂行している。この年報は、そのうち、地域環境研究グループに属する11の研究チームが中心になって行っている特別研究の、平成2年度の研究成果を、図表をまじえて分かりやすくまとめたものである(地球環境研究総合推進費によるプロジェクト研究については、別に、国立環境研究所地球環境研究年報として刊行される予定である)。「バイオテクノロジーによる大気環境指標植物の開発に関する研究」、「富栄養化による内湾生態系への影響評価に関する研究」(以上最終年度)、「先端技術における化学環境の解明に関する研究」、「環境容量から見た水域の機能評価と新管理手法に関する研究」、「粒子状物質を主体とした大気汚染物質の生体影響評価に関する実験的研究」、「広域都市圏における交通公害防止計画策定のための環境総合評価に関する研究」、「大都市圏における環境ストレスと健康に係る環境保健モニタリング手法の開発に関する研究」、「水環境における化学物質の長期暴露による相乗的生態系影響に関する研究」(以上継続課題)、「トリクロロエチレン等の地下水汚染の防止に関する研究」、「有用微生物を活用した小規模排水処理技術の開発と高度化に関する研究」、「有害廃棄物のモニタリングに関する研究」、「都市域における冬期を中心とした高濃度大気汚染の予測と制御に関する研究」(以上新規課題)の12課題の研究が紹介されている。
目次
- 研究所は研究のみをするところにあらず− 人材養成 −巻頭言
- 伝統と現代、あるいは過剰と欠乏−環境と健康の関係を研究する際の視点として−論評
- 退任にあたり期待するところ論評
- 熱帯林生態系の構造解析プロジェクト研究の紹介
- 有害廃棄物のモニタリングに関する研究プロジェクト研究の紹介
- 実験池における富栄養化過程とプランクトン群集の相互作用について経常研究の紹介
- 誘導結合プラズマ質量分析法(ICP・MS)による鉛同位体比測定の国際的クロスチェック経常研究の紹介
- 私の行動主義研究ノート
- レーザーレーダーと高濃度大気汚染研究ノート
- 研究発表会・特別講演会報告その他の報告
- 美しい湖とマイノリティ気質海外からのたより
- 主要人事異動
- 編集後記