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2020年6月30日

空気と液体の境界

コラム1

 空気と液体エアロゾルが接する境界(気液界面)や、水が付着した固体エアロゾルの境界(固液界面)は、気体中や液体中(バルク中)とは異なる、界面特有の物理・化学現象が起こる反応場です。

 例えば、空気-水界面ではわずか0.5nm(5×10-10m)の深さ範囲で、水分子の密度が1g/cm3(水中)から急激にゼロ(空気)になります。その結果、空気-水界面に存在する化学種の密度分布は、深さ方向に偏りが生じます。また、それぞれの存在する特定の深さの層によって反応速度や生成物が変わってくることが知られています。このような分子レベルの不均一性を考えないと、エアロゾルの変質過程を正しく解釈することはできません。

空気と液体エアロゾルの境界で起こる反応とバルク反応の図
図1 空気と液体エアロゾルの境界で起こる反応とバルク反応                  
気体の成分(オゾンなど)は、液体エアロゾルに衝突すると、吸着や脱着、液相拡散の他に、空気-液体の境界で気液界面反応を起こします。また、液相に拡散した成分は液中で反応を起こします。これをバルク反応と呼びます。