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適応の効果と限界を考慮した地域別気候変動適応策立案支援システムの開発(令和 5年度)
Development of a support system for designing regional climate change adaptation options in consideration of the effects and limitations

予算区分
環境問題対応型研究
研究課題コード
2224BA002
開始/終了年度
2022~2024年
キーワード(日本語)
気候変動適応,気候変動影響
キーワード(英語)
Adaptation to Climate Change,Climate Change Impacts

研究概要

本研究では、気候変動とその影響に関する科学的な情報に基づき、地域特性を鑑みて中長期的な視点から地方公共団体の担当者が自ら適応策を選択して実施するための支援ツールを開発する。科学の不確実性に関しては複数の気候シナリオとそれらを用いた作物および自然災害影響の予測結果を活用する。将来影響は、2050年ごろから2100年まで中長期的な期間を予測する。このとき、適応策の諸元(コスト、効果、限界、実施にかかる時間、適応策間の相乗効果やトレードオフ、等)を定量化し、適応策の限界も考慮したうえで実施すべき適応策の優先度を、地方公共団体の担当者がステークホルダーと議論しながら決定できるよう支援するツールを開発する。本研究では、特に市町村レベルで対応可能な分野としての、農業分野の適応と土地利用による適応を主とするが、その他分野への展開についても視野に入れて取り組む。上記研究を推進するために、本研究では以下3つのサブテーマ(ST)で取り組む。
【ST1】科学的知見に基づく地域特性を考慮した気候変動適応策立案支援システムの開発
【ST2】適応のための地域別の最適作物と環境負荷の評価
【ST3】気候変動下における生態系を活用した防災・減災の効果検証および地域の実情に合わせた適応的防災プランの提示
ST1ではST2・ST3から提供される影響予測と適応策の効果に関する定量的な情報を活用して、地方公共団体の担当者が地域特性を考慮した科学的知見に基づき、取り組む適応策の優先度を決定できるよう支援する気候変動適応策立案支援システムを開発する。ST2では、気象・土壌と作物生産性との関係を統計に解析し、どのような土壌・気象の地域でどのような作物が最適か、その関係性は将来どのように変化するのかを多種の作物を対象として明らかにするとともに、作物栽培の環境負荷についても評価する。また、収量・環境負荷・収益も考慮した最適解の提示を試みる。ST3では、水田という国内における主要な土地利用に注目し、既存の水田が持つ水害に対する耐性(生態系を利用した防災・減災の有効性)を評価するとともに、水害の発生頻度、強度が気候変動によって変化することを前提に、将来にわたってこの耐性を維持あるいは強化する必要性を提示する手法を開発する。

研究の性格

  • 主たるもの:政策研究
  • 従たるもの:技術開発・評価

全体計画

地方公共団体の適応推進を科学的に支援するために、作物収量と防災・減災を対象として、適応策の効果を定量的に評価可能な影響予測手法を開発するとともに、その手法から創出される作物収量と防災・減災効果の予測結果を組み込んだ地域特性を考慮可能な気候変動適応策立案支援システムを開発する。開発過程において、地域気候変動適応センターと緊密に連携し、研究から得られたデータやツール・システムは、研究終了後、気候変動適応情報プラットフォーム(A-PLAT)上で実行可能な形式での公開を目指す。

今年度の研究概要

【ST1】「適応策諸元データベース」及び「適応力判定ツール」を完成させる。また、ST2・3と協働して「気候変動適応策選択ツール」のプロトタイプを試作し、地域気候変動適応センターに協力を依頼し、その利用方法や改善点を検討する。さらに、「気候変動適応策立案支援システム」の仕様を検討する。
【ST2】作物に関するデータの収集とデジタル化は1年目に引き続き行う。土壌データ(e-土壌図)のデータ及び田畑の面積を加味して、作物・市町村ごとに土壌特性を指標化する。各作物統計データから得られるバイオマスとしてリン・窒素の回収量を計算し、作物・市町村ごとにリン・窒素の負荷量を推定する。また、1年目で構築した解析手法を各作物に適用して、気象・土壌と作物収量の関係性を明らかにする。
【ST3】整備した時系列の水害情報および土地被覆データを利用し、市町村を単位に水害に対する耐性を農地の空間配置という観点から評価する。ここでは水害を抑制・緩和することが期待される農地、特に水田の立地条件に注目し、巨大データに基づく統計モデリングを行う。さらに、ST1、ST2と調整の上で詳細な検討を行うコア地域を選定し、高解像度航空写真等を用いて詳細な土地被覆図を作成する。

外部との連携

以下の体制で研究を実施する
【ST1】国立環境研究所
【ST2】農業・食品産業技術総合研究機構
【ST3】東京都立大学

関連する研究課題

課題代表者

肱岡 靖明

  • 気候変動適応センター
  • センター長
  • 博士(工学)
  • 工学
portrait

担当者