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実環境試料に基づく甲状腺ホルモン作用かく乱化学物質の同定・分級と複合的健康影響の評価法開発(令和 5年度)
Identification/classification of thyroid-hormone-function disrupting chemicals based on practical environmental samples and development of method for assessment of their compositive effects

予算区分
5-2303
研究課題コード
2325BA105
開始/終了年度
2023~2025年
キーワード(日本語)
分子鋳型,甲状腺ホルモン受容体,活性寄与率
キーワード(英語)
Molecularly imprinted polymers,thyroid hormone receptor,contribution ratio of activity

研究概要

化学物質の内分泌かく乱作用について,環境省では新たなプログラムとして2030年を見据えた取り組みをEXTEND2022と称して進めている。その中の新たに注視すべき点として,多くの化学物質から検討対象物質を抽出するスクリーニング法の開発などを,New Approach Method(ologie)s (NAMs) の活用が推奨されている。とりわけ,甲状腺ホルモン (TH) 様作用に関する発達,変体等に及ぼす影響が重要視されている。これらの枠組みは,米国や欧州における動向を踏まえており,我が国においても積極的に進めるべき課題であると考えられる。
一方,我々の研究グループは甲状腺ホルモン受容体 (TR) をモデルとしたスクリーニング手法の開発に取り組み,1)TR模倣基材を用いたTR活性評価法,2)TR活性物質のデータベース,3)実環境試料中のTR活性物質の体内動態多様性について研究を進めてきた。しかし,TR活性物質の構造多様性やアゴニスト,アンタゴニストの分類などさらに精度の高いスクリーニング法の開発,実環境試料中に含まれるTR活性物質の網羅的な探索,TR活性候補物質の体内動態と複合健康影響評価など,先行研究から大きく踏み込んだ研究推進が望まれる。
そこで本研究では,高度なTR模倣基材を作製することで,TRアゴニスト物質の構造に起因する分類わけ及びアンタゴニストの選定を可能にするスクリーニング法の開発を行い,さらに,実環境試料から抽出されたTR活性物質についてin vivo試験によるTH様作用を介した複合健康影響評価を実施する。

研究の性格

  • 主たるもの:技術開発・評価
  • 従たるもの:応用科学研究

全体計画

本研究では,甲状腺ホルモン受容体(TR)結合活性物質の高度スクリーニング法の開発及び実環境試料中のTR活性物質の網羅的探索とそれらの単一/複合健康影響評価を目的として,「実環境/生体試料の迅速スクリーニングに向けたTR模倣分離基材の高度化・分類化」,「酵母アッセイ及び質量分析計による実環境試料中のTR活性物質の同定と構造推定」「In vivo試験による甲状腺ホルモン作用かく乱化学物質の複合暴露を介した健康影響評価」を実施する。
このうち特に「酵母アッセイ及び質量分析計による実環境試料中のTR活性物質の同定と構造推定」では,実環境試料中からTR活性物質を網羅的に探索し,TR活性の寄与率を算出するとともに,未知物質の生理活性強度と化学構造を明らかにする。国内で得られる環境試料に対して,TR模倣基材及び汎用の分離基材を用いて,TR活性の有無と寄与物質を同定する。さらに,未知物質の場合には,精密質量分析に基づく構造推定を行う。
初年度に様々な環境試料を採取し、TRアゴニスト及びアンタゴニスト活性を調査し,活性を有する試料を選定する。次年度以降には各種分子鋳型について,典型的なTRアゴニスト,アンタゴニスト標準溶液を用い,そのTR活性の保持率(補足された活性/保持されず通過した活性)を評価する。続いて前年度に選定した活性を有する実環境試料を用いて評価する。実環境試料から分子鋳型に保持された物質について,LC-MSMSを用いて既知物質の測定をし,未同定ピークについてはLC-QTofMSを用いて構造推定する。

今年度の研究概要

初年度である今年度は、一級河川,下水流水,放流水,工場排水,廃棄物処理場浸出水などの境試料について,合計50検体を目標に採取する。採取した試料のTRアゴニスト及びアンタゴニスト活性を調査し,活性を有する試料を選定する。

外部との連携

京都大学

関連する研究課題

課題代表者

中島 大介

  • 環境リスク・健康領域
  • 副領域長
  • 博士(薬学)
  • 薬学,化学
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