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持続可能な資源循環を支える先導的基盤技術の開発(令和 5年度)
Study on advanced science and engineering for sustainable material cycles

研究課題コード
2125AV101
開始/終了年度
2021~2025年
キーワード(日本語)
ナノプラスチック,標準品開発,耐候性試験,リスク評価,バイオガス,バイオマスプラスチック生産,灰溶融
キーワード(英語)
nanoplastics,development of standards,weather resistance test,risk assessment,biogas,biomass plastic production,Ash-melting

研究概要

持続可能な資源循環の障害となる喫緊課題、特に、ナノ・マイクロプラスチック(NMPs)の汚染や資源循環技術の脱炭素化に対する課題解決を目的に、まず、NMPsと同伴される化学物質の実態を把握するために、NMPsを含む微小粒子の測定評価方法、プラスチックモノマー体や含有添加剤等のリスク評価方法、NMPsの排出速度予測法を開発する。また、プラスチック廃棄物等の適正な資源循環を推進するための環境リスク管理(排出抑制対策やバイオプラスチック代替の検討)に適用する。さらに、リサイクル技術にNMPs等の無害化を付与する研究も進め、対策技術まで一体となって総合的な研究も行う。
一方、脱炭素化に資する地域循環共生圏の中核的要素技術、すなわち熱的資源化技術、湿式資源化技術、炭素隔離固定化技術(CCUS)、各要素技術由来残渣の再資源化技術、それらの連携に必要な技術(コンバインド技術)と技術システムを開発し、実証を目指す。

研究の性格

  • 主たるもの:応用科学研究
  • 従たるもの:技術開発・評価

全体計画

プラスチック微小粒子の定量分析法は、市販標準品や環境試料を用いて、環境中からの採取方法、夾雑成分から選択的分取方法、化学組成分析や表面分析等による検出方法の検討を通じて開発する。市販標準品のラインナップの少ないナノプラスチックは、標準品の開発から行う。NMPsの排出速度に関する研究では、プラスチックの耐候性試験と材料分析化学手法を組み合わせて、排出メカニズムの把握と排出速度を測定する。また、バイオプラスチック代替の検討にも応用する。プラスチック含有化学物質の影響指向検出法は、市販標準品やプラスチック廃棄物試料を用いて、プラスチックからの含有化学物質の選択的抽出方法、水質汚濁防止法や大気汚染防止法の規制項目を検出する哺乳類細胞を用いるレポーター遺伝子アッセイ・バッテリーによる検出方法の検討を通じて開発する。
資源化技術の開発については、中小規模自治体の廃物処理施設や商業施設においても創エネ化できる高効率なガス化技術ーメタン発酵とのコンバインド技術、残渣の処理・資源化についても持続可能性を担保できる熱的資源化技術、さらに開発技術と連携可能な炭素隔離利用・固定化技術を開発する。また、NMPsについては、環境汚染物質を含めてNMPs等を除去・無害化可能な新規メタン発酵技術やコンバインド技術システムの検討を行い、上述の分析法開発、実態把握、対策技術と一体的な研究を行う。

今年度の研究概要

ナノプラスチックのラベル化標準粒子作製と環境試料中存在量の定量手法の開発、深層学習(AI)による形態鑑定に基づくマイクロプラスチックの形態別分取法の開発、劣化・微細化試験法によるポリマー種類別の微細化および劣化指標の評価法の開発を行う。一方、分散型の脱炭素型廃棄物処理については、低品質な廃棄物等由来油脂のバイオプラスチック原料化に向け、事業場における排水・廃棄物管理方法と品質確保の関係性を明らかにする。自立溶融分離技術の確立を目指して、灰溶流試験の標準化を行うとともに、回転式表面溶融炉のシミュレータの開発に着手する。

外部との連携

産総研、山形大学、愛媛大学、京都大学、兵庫県立大学、武漢理工大学、University of Stavanger、クボタ、いであ、竹中工務店、(株)ティービーエム、京都高度技術研究所

課題代表者

倉持 秀敏

  • 資源循環領域
  • 副領域長
  • 博士(工学)
  • 化学工学,化学,工学
portrait

担当者