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高分解能な生物圏モデル開発と緩和シナリオの検討(令和 4年度)
Development of high-resolution biosphere model and mitigation scenario

予算区分
学術変革A
研究課題コード
2125CD004
開始/終了年度
2021~2025年
キーワード(日本語)
生物圏機能,高分解能モデル,生物地球化学,炭素吸収固定,土地利用
キーワード(英語)
Biosphere function,High-resolution model,Biogeochemistry,Carbon uptake and fixation,Land use

研究概要

全球の生物圏機能をシミュレートする高分解能モデル「デジタルバイオスフェア」を開発し、統合生物圏科学の具体化に貢献する。変動環境下での生物圏機能の最適利用に関するシミュレーションを実施し、地球環境激変の影響予測とそれを防止する対策に必要な土地面積などに関して系統的な評価を行う。生理生態的プロセスに基づくメカニスティックなモデルと、観測データから導出されるデータ駆動モデルの長所を組み合わせ、二酸化炭素吸収量やバイオマス量を高い空間分解能で計算し、過去から将来にわたる変動環境下での応答を推定する。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:応用科学研究

全体計画

本課題の研究目的・役割は、研究領域各班との協力の下、高分解能・高精度な生物圏モデル「デジタルバイオマスフェア」を開発し、それを通じて統合生物圏科学を具体化することである。各種観測から得られる知見を統合する共通の枠組みと、地球環境激変を防ぐための現実問題を定量的に分析する手法を研究領域に提供する。
 近年の計算科学・データ科学に関する進展を取り入れ、スーパーコンピュータを用いた大規模計算を実施し、生物圏全体あるいは日本など特定領域のCO2固定量、バイオマス供給量、対策実施に必要な土地資源、に関する評価を行う。また、複数シナリオに基づくモデル計算を実施して必要な土地面積やコベネフィット・トレードオフも勘案した分析を行い、生物圏機能の改変による地球環境の安定化の検討に貢献する。

今年度の研究概要

2022年度は、生物圏モデルにおける各種機能の環境応答について精緻化を図る。大気CO2濃度上昇や気温・降水・栄養状態の変動に対する応答を推定する際、従来は実験や短期間の野外観測に基づいて経験的に求められた応答関数が使用されてきた。ここでは、A分野の実験結果、B分野による生態系スケールの観測結果に基づいて、生態系機能の環境応答パターンを条件分けして精査する。そして、CO2固定やバイオマス生産を高い信頼度・一般性で推定できるよう、環境応答を表現する関数を改良し生物圏モデルに導入する。

外部との連携

東邦大学、東北大学、京都大学、東京大学、海洋研究開発機構、北海道大学

課題代表者

伊藤 昭彦

  • 地球システム領域
    物質循環モデリング・解析研究室
  • 主席研究員
  • 博士(理学)
  • 生物学,地学,林学
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担当者