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生物多様性の保全と利用の両立および行動変容に向けた統合的研究(令和 4年度)
Integrative research toward balancing conservation and use of biodiversity and behavior change

研究課題コード
2125AA110
開始/終了年度
2021~2025年
キーワード(日本語)
保全優先順位付け,統合型保全策,サプライチェーン,行動変容
キーワード(英語)
conservation prioritization,one plan approach,supply chain,behavior change

研究概要

本課題は、マルチスケールで生物多様性の保全と利用を両立するための方策(保護区の設定・管理デザイン、域内・域外保全の一体化、トレードオフ・シナジーを考慮した優先順位付け、サプライチェーン評価への生物多様性影響の組み込み、地域資源の持続的活用等)を具体化するとともに、人間心理と行動等に基づく保全活動の促進等、生物多様性保全・利用の社会経済活動への組み込みを促進し、これらに基づいて生物多様性の主流化及び社会変革をうながし、自然資本の向上に貢献することを目的とする。
4つのサブテーマから構成され、サブテーマ1では、保護区・対策実施場所優先順位付けにより、生物多様性の保全と、生態系サービスの利用、また人口減少や気候変動緩和・適応等の社会的課題への対策を両立し、さらに相乗効果を考慮した効果の高い対策の立案・デザイン行う。この研究は特に域内保全を対象とするものである。サブテーマ2では、域内保全と細胞保存等の域外保全を統合的に扱うことで保全効果を高める、One Planアプローチを実践する。サブテーマ3では、自然資源利用や食料生産による生物多様性影響をサプライチェーンも考慮しながら全球スケールで評価する。さらに、サブテーマ4の保全行動に関する研究により、生物多様性主流化・保全活動の促進に寄与する知見を創出する。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:応用科学研究

全体計画

マルチスケールで生物多様性の保全と利用を両立するための方策を具体化するとともに、人間心理と行動等に基づく保全活動の促進等、生物多様性保全・利用の社会経済活動への組み込みを促進する。これらに基づいて生物多様性の主流化及び社会変革をうながし、自然資本の向上に貢献する。3 年目までに、生物多様性保全地域と生態系機能・サービスの統合評価、域内保全策の効果検証、域外保全資源の活用法の具体化、人の行動データによる行動変容解析、資金メカニズム検討を行う。5年目までに、生物多様性保全と他の社会的課題との統合評価、低負荷型の資源調達・食料生産の提案、域内・域外保全の統合的フレームワーク構築、自然資源持続的利用策の提案、資金メカニズムの検討を行い、これらによる生物多様性の主流化及び人間の行動変容促進を図る。

今年度の研究概要

将来予測の不確実性に頑健な生物多様性保全と生態系機能・サービスの統合評価手法の改良、ヤンバルクイナの生息地に適した環境DNA による捕食者検出技術の開発および繁殖に関わるパラメーター情報の収集、農業等による土地利用が地球規模で生物多様性に及ぼす影響を評価するためのデータ解析、生物多様性保全を促進するための募金行動や消費者行動の解明に向けた政策・施策介入を考慮したデータ解析を進める。

課題代表者

石濱 史子

  • 生物多様性領域
    生物多様性評価・予測研究室
  • 主幹研究員
  • 博士(学術)
  • 生物学
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担当者