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地域との協働による環境効率の高い技術・システムの提案と評価(令和 3年度)
Proposal and evaluation of environmentally efficient technologies and systems in collaboration with local communities

研究課題コード
2125AA117
開始/終了年度
2021~2025年
キーワード(日本語)
技術システム,熱エネルギー,資源循環,水処理,地域交通
キーワード(英語)
technological system,thermal energy,resources recycling,water treatment,local transportation

研究概要

脱炭素化や循環経済実現のニーズの急速な高まりとともに、人口減少や高齢化などの社会的課題への対応が求められている。それには、地域ごとに異なる状況や関係者の意向を踏まえて適切な対策を分析、立案して問題の解決を図ると共に、新たな価値を創造することが求められる。このような課題に対応するため、本プロジェクトでは地域の関係者と協働で、人口減少と高齢化が顕著な地方都市など、地域特性別に廃棄物や水処理、交通などの技術・システムの望ましいあり方を示し、それに向けた社会の転換を支援する。環境効率の改善余地が大きな熱利用を含めて、産業都市や山間部などの具体的地域を対象に、地域の資源循環と低炭素化が両立するなど、持続可能な技術・システムを提案し有効性を検証してその社会実装を支援する。従来の技術開発や評価までを行う研究に対して、地域と協働で技術・対策導入の障壁を特定し、社会の受容性を高める工夫を施し、事業の水平展開に資する手順として整理する。
より具体的には、地区や都市スケールでの大幅な低炭素化と効率的な資源循環や排水処理、地域の持続可能な交通を主な対象に、経済的にも実現可能性の高いシステムや改善のための対策を提案し、その社会実装支援を行う。産業や都市の熱供給システム、地方都市における適地型の排水処理システム、高齢者にも対応した廃棄物の回収・処理方法や地域の交通などについて、地域の関係者との協働により、改善と新たな価値の創造に繋がるロードマップを示す。

研究の性格

  • 主たるもの:技術開発・評価
  • 従たるもの:行政支援調査・研究

全体計画

将来の社会情勢の変化を踏まえた上で、技術・システムや制度の望ましい姿を提示し、地域の関係者と連携して持続可能なより良い社会への転換を支援する。サブテーマ1では、脱炭素化に向けて効率化の余地が大きい熱供給に着目し、廃棄物の焼却熱などを有効利用しつつ、蓄熱を併用しながら効率的に再生可能エネルギーを活用する仕組みについて、地域の関係者と協議しながら、社会実装に向けて検討を行う。また、事業の水平展開に資する効果的な情報提供の方法について明らかにする。サブテーマ2-1及び2-2では、地域排水処理の不均衡問題を抽出し、地域のステークホルダーへの共有およびフィードバックを得ることで、適切な技術システムやその社会実装に向けた将来像を検討する。また、小規模処理設備を対象として技術的評価を行い、持続的な利活用を念頭においた運用方法や技術構成に関する検討と最適化、実装支援を行う。サブテーマ3では、廃棄物処理システムの現在の延長にある姿を推定した上で、これまでは分断されていたステークホルダーが連携し、廃棄物処理を通じて新たな価値を創造する対策シナリオを検討、提示する。サブテーマ4では、過疎地域を対象とし、地域に根付く持続可能な新しい交通の実現を目指し、地域特性と社会の現状を踏まえつつ、具体的な交通の在り方と実現方策を提案する。

今年度の研究概要

エネルギーシステムについては、熱の需給を主な対象に、産業及び住宅・業務地域のそれぞれで、その脱炭素化に向けた技術システムを地域特性に合わせて提示する。排水・廃棄物処理と資源循環では、人口減少・高齢化地域における排水処理、廃棄物処理システムの地域ごとの脆弱性評価手法の開発を進めるととともに、排水処理システムの技術評価のための予備調査を行う。地域交通については、地域の現状調査に基づいて相応しい交通システムの将来像を検討する。

外部との連携

九州市産業学術推進機構、川崎市、広島県、茨城県、須崎市、阿南市、徳島県環境技術センター、高知高専、阿南高専、東京大学、名古屋大学、立命館大学、北九州市立大学

課題代表者

藤井 実

  • 社会システム領域
    システムイノベーション研究室
  • 室長(研究)
  • 博士(工学)
  • 化学工学,システム工学
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担当者