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オゾン適応戦略としての植物の環境応答機構の解明(令和 2年度)
Elucidation of the mechanisms in the responses of plants to environmental stresses as the adaptation strategy to ozone

予算区分
CD 文科-科研費
研究課題コード
1820CD004
開始/終了年度
2018~2020年
キーワード(日本語)
オゾン,植物環境応答,環境適応戦略,シロイヌナズナ
キーワード(英語)
ozone,plant responses to environement,environment adaptation strategies,Arabidopsis thaliana

研究概要

オゾンは光化学オキシダントの主成分であり、森林衰退や農作物被害の原因となっている。気候変動による気温の上昇等に伴い、今後地球規模で対流圏のオゾン濃度が上昇すると考えられ、我が国では特に大都市近郊における影響拡大が懸念されている。一方、植物は過酷な環境にも適応して生き延びるため環境応答機構を進化させてきた。これまでモデル植物のシロイヌナズナ等を用いた研究により、オゾンに適応するための環境応答機構(オゾン耐性機構)がある程度明らかになってきた。本研究課題では、シロイヌナズナ突然変異系統を用いてオゾン耐性機構に関与する新たな遺伝子を見出し、当該機構のより深い理解を目指すとともに、高濃度オゾンが問題となっている関東山地由来のブナ実生を用いてオゾン耐性機構における遺伝子の構造や発現を調査することで、植物の高オゾン濃度への適応戦略として実際に機能している機構を明らかにすることを目指す。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:技術開発・評価

全体計画

1 オゾン耐性シロイヌナズナ突然変異系統の解析
オゾン耐性に直接関与する遺伝子の構造と機能を明らかにする。シロイヌナズナ遺伝子過剰発現系統において、オゾン耐性突然変異系統の候補が既に得られておりそれを用いる。

2 関東山地ブナ林由来ブナ実生で働いているオゾン耐性機構の解明
ブナ実生においてオゾンに応答して発現する遺伝子を見出し、その遺伝子の持つと推定される機能から、ブナで働いているオゾン耐性機構の一端を解明する。

今年度の研究概要

 オゾン耐性シロイヌナズナ突然変異系統に関しては、当該遺伝子発現産物の細胞内局在とオゾン耐性の関係をGFP連結株を用いて精査するとともに、当該遺伝子発現量とオゾン耐性の関係についても調査する。あわせて当該遺伝子発現産物に結合するタンパク質を酵母2ハイブリッド法などにより探索し、発現産物の機能の推定を行う。
 ブナに関しては、秩父産の入手が困難であることから、丹沢産のみを用いてオゾン感受性やオゾン応答に関連する遺伝子発現について調査する。

外部との連携

埼玉県環境科学国際センター
神奈川県環境科学センター

課題代表者

青野 光子

  • 生物多様性領域
  • 副領域長
  • 博士(理学)
  • 生物学,生理学,生化学
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担当者

  • 佐治 光