- 予算区分
- CD 文科-科研費
- 研究課題コード
- 1920CD004
- 開始/終了年度
- 2019~2020年
- キーワード(日本語)
- 生物利用性,放射性セシウム,カリウム
- キーワード(英語)
- bioavailability,radiocesium,potassium
研究概要
近年、福島第一原発事故の事後環境評価や土壌環境基準の改定等により 、農業・環境分野において、放射性セシウムやカリウムイオンの植物/生物利用可能量の評価の重要性が増している。従来法である、水抽出による土壌溶出量試験や全含有量試験は、土壌中の可給態/生物利用可能イオンの定量評価には不適切である。また、土壌中の重金属等の存在形態を分析する手法の一つである逐次抽出試験に関しても、試験の煩雑で時間がかかること、適用土壌の有機物含有量等により結果が響を受けるなどの課題があった。本研究では、前述の課題に対して、?申請者らが開発した放射性セシウムを特異的に吸着する吸着剤(プルシアンブルー)や、DGTⓇ(Diffusive Gradients in Thin Films)を活用した土壌・底質中の可給態/生物利用可能イオンを迅速かつ高精度の測定法の確立、?フィールドにおける妥当性確認試験(開発法と植物・生物への移行量の比較)の実施、?各種媒体の生物利用可能量の迅速判定法の構築、を行う。これにより、生物移行可能量の評価手法の確立と実務的なフレームワークの構築を目的とする。
研究の性格
- 主たるもの:基礎科学研究
- 従たるもの:
全体計画
主な担当業務は、ダム湖底泥等のサンプリングおよび供試のための前処理の実施である。底質サンプルを用いてCs吸着剤(銅置換体プルシアンブルー)を用いたCs抽出量と、別途実施中のBCR法(逐次抽出)によるCs抽出量を比較することで、底質に含まれる生物利用性のCs量をより簡便に測定できる方法の開発を検討する。
今年度の研究概要
福島県横川ダムで採取した底質を用いて、銅置換体プルシアンブルーを用いたCs抽出に関する最適な試験方法の検討を行う。
外部との連携
産業技術総合研究所を研究代表者とする研究プロジェクトである。
課題代表者
辻 英樹
- 福島地域協働研究拠点
環境影響評価研究室 - 主任研究員
- 博士(農学)
- 農学