ユーザー別ナビ |
  • 一般の方
  • 研究関係者の方
  • 環境問題に関心のある方

オイルパーム農園からのCH4・N2O放出量の統合的評価(平成 31年度)
Comprehensive evaluation of CH4 and N2O release from oil palm plantation

予算区分
AO 所内公募A
研究課題コード
1719AO002
開始/終了年度
2017~2019年
キーワード(日本語)
オイルパーム,排水ため池,温室効果ガス
キーワード(英語)
oil palm,wasted liquid pond,greenhouse gas

研究概要

マレーシア・ボルネオ島のオイルパーム農園おいて、温室効果ガス排出量の統合的評価および削減技術開発を行う。農園からの主な温室効果ガス排出経路は圃場と搾油・精製で発生する廃水を処理するために貯めた池(廃水ため池)の2つがある。それぞれの温室効果ガス放出量を測定し、統合的な温室効果ガス放出量の評価を行う。森林をオイルパーム農園に転換した場合の温室効果ガス放出量の広域的な変化をシミュレーションにより推定する。

研究の性格

  • 主たるもの:応用科学研究
  • 従たるもの:基礎科学研究

全体計画

本研究ではオイルパーム農園からの温室効果ガス放出量の解明および削減技術の開発の検討を行う。
1) 廃水ため池からの温室効果ガス放出量を定量評価するため、渦相関法およびフロート型チャンバーシステムを用いたフラックス観測を行う。
2) 農地の窒素循環を解明するため、農地の廃水路や降雨中の反応性窒素の濃度の測定を行う。
3) サブ2で得られたデータを元に、陸域生態系モデルの窒素スキームの改良を行う。
4) 農地および廃水ため池を含むオイルパーム農園全体の温室効果ガス発生量の統合的評価、オイルパーム転換による温室効果ガス発生量の広域評価、開発された廃水処理技術による温室効果ガス削減効果の推定を行う。
 初年度は現地の状況確認や現地研究機関およびオイルパーム会社との研究協力体制構築を中心に行う。2年目は1〜3を中心に本格的な観測や開発を実施し、3年目は4〜5を中心に全体をとりまとめた統合解析を行う。

今年度の研究概要

サブテーマ1
 各廃液ため池の滞留時間や廃液の化学組成の変化の調査を継続する。
 1-2年目に開発したフロート型チャンバーシステムを完成させ、技術情報を現地機関と共有することで、現地機関の研究員のみでのオペレーションを可能にすることで、より長期的な追跡調査が可能な共同研究体制を構築した。
サブテーマ2
 定常的に廃水路での水のサンプリング、降雨のサンプリングを継続する。サンプリングは通常の農地、廃水ため池側の農地、処理後の廃水を散布した農地を対象とする。施肥直後に密に観測を行うようにする。土壌チャンバーと組み合わせた自動ガスサンプリング装置により、オイルパーム圃場からの亜酸化窒素放出量を測定し、施肥との関連性を定量化する。定常観測では現地スタッフに分析を依頼し、能力強化をはかった。
サブテーマ3
 サブテーマ2の予備調査を踏まえ、廃水ため池からの温室効果ガス放出モデルと窒素循環に関わるサブスキームの設計を行った。
サブテーマ4
 サブテーマ3の調査を踏まえ、廃水ため池からのCH4・N2O放出の簡単なモデル化に向けた設計を行う。広域評価に向け、マレーシア、特にボルネオ島でのオイルパーム農園の規模や数について調査を行った。

外部との連携

サラワク州立熱帯泥炭研究所

課題代表者

平田 竜一

  • 地球システム領域
    陸域モニタリング推進室
  • 主任研究員
  • 農学博士
  • 生物学,物理学,農学
portrait

担当者