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国際貿易ネットワーク解析を通した二酸化炭素排出評価に関する研究(平成 29年度)
Study on carbon emission international trade network

予算区分
CD 文科-科研費
研究課題コード
1417CD003
開始/終了年度
2014~2017年
キーワード(日本語)
ネットワーク分析,貿易
キーワード(英語)
network analysis, trade

研究概要

本研究では、国際貿易によって誘発するCO2排出量の動態を分析するための新しいネットワーク解析法を提案するだけでなく、政策に伴う貿易ネットワークの変化によって当該国(例えば、排出集約国である中国)や世界のCO2排出量がどのような影響を受けるのか分析する。具体的には、国際貿易グラビティモデル(内生的貿易ネットワークモデル)を推計し、グラビティモデルによって記述される貿易フローに関する隣接行列からCO2排出集約的な産業クラスター(炭素クラスター)の頑健な構造を検出し、その動態(過去から現在における炭素クラスターダイナミクスの視覚化、クラスター内の排出集約度、貿易政策ショックによるクラスターの構造変化(消滅や出現)を分析するだけでなく、炭素クラスターが地球温暖化に果たす役割を明らかにする。

研究の性格

  • 主たるもの:政策研究
  • 従たるもの:応用科学研究

全体計画

外生的なネットワークモデルを用いたCO2排出分析から内生的なネットワークモデル(国際貿易グラビティモデル)を用いたCO2排出分析へと展開するだけでなく、ネットワーク分析において決定的に重要であるクラスター解析法の計算量・時間の問題、近似解の精度の問題、解の不安定性の問題、解の統計的な信頼度の問題に取り組む。内生的ネットワークモデルとクラスター解析法を併用し、環太平洋戦略的経済連携協定で協議されているような貿易政策が国際貿易構造をどのように変化させるのか視覚的に明らかにし、政策導入前後で貿易に伴う世界のCO2排出量、炭素クラスターの形状や炭素クラスター内の排出集約度がどのように変化すのか分析する。また炭素クラスター単位でCO2排出量を削減するための貿易・環境政策に関する提言を行っていく。

今年度の研究概要

ネットワークにおけるクラスターの検出手法を整備した時系列の国際資源フローに適用し,クラスター形成の時間的変化の特性を明らかにする。

外部との連携

九州大学、早稲田大学、神戸大学の研究者との共同研究

課題代表者

南齋 規介

  • 資源循環領域
    国際資源持続性研究室
  • 室長(研究)
  • 博士(エネルギー科学)
  • システム工学,化学工学
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