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危険な貧困脱出手段としてのE-waste リサイクルの評価−フィールド調査と計量経済学的手法による分析(平成 28年度)
Evaluation of E-waste recycling as a dangerous poverty alleviation tool: Using field surveys and econometric analyses

予算区分
KZ その他公募
研究課題コード
1617KZ003
開始/終了年度
2016~2017年
キーワード(日本語)
インフォーマルセクター,廃電気電子機器,計量経済学
キーワード(英語)
Informal sector, Waste Electrical and Electronic Equipment (WEEE), Econometrics

研究概要

開発途上国において、廃電気電子機器(E-waste)から金属類やプラスチックなどの有用資源を回収するリサイクル業が貧困緩和・脱出手段の一つとなっている。このE-wasteリサイクルは有用資源を有効に活用し、廃棄物発生量を抑制する一方で、その方法が不適切な場合はリサイクルの過程で環境汚染を引き起こすことが知られている。本研究では、ベトナムにおけるE-wasteリサイクル産業の従事者および排出主体を対象として、インタビュー調査を行い、集めた社会・経済・心理面のデータを計量経済学的に分析することで、E-wasteリサイクルの社会経済的影響を明らかにする。環境化学の研究者と同じ研究対象地において開発経済学的なフィールド調査を行うことで、E-wasteリサイクルという貧困脱出手段が及ぼす影響を定量的に推計し、開発途上国の貧困削減と適正なE-wasteリサイクル管理の同時達成に向けた提言を行うことを目指す。

研究の性格

  • 主たるもの:政策研究
  • 従たるもの:基礎科学研究

全体計画

本研究では、ベトナム・ハノイ市とその周辺地域を対象地として、E-wasteリサイクル産業の構造を明らかにし、この産業に関わる労働者の社会経済的側面の調査を行う。初年度は、ハノイ市における該当産業の関係者のインタビュー調査を通じて、産業の構造と物質フローを明らかにする。同時に、先行研究のレビューを行い、他国・他地域との比較を行う。また、対象地全体でE-wasteリサイクル産業に従事する労働者の人数を推計する方法を開発する。これらの研究を通じて産業規模を把握することにより、社会経済的なインパクトの大きさを明らかにする。
産業の規模および総労働者数を推計した上で、E-wasteリサイクル集積地における作業従事者のインタビュー調査を行う。また、比較対象として、周辺の農民の調査も行う。得られたデータを計量経済学的に解析することで、E-wasteリサイクルが与える経済的影響を評価する。

今年度の研究概要

初年度は、ハノイ市における該当産業の関係者のインタビュー調査を通じて、産業の構造と物質フローを明らかにする。同時に、先行研究のレビューを行い、他国・他地域との比較を行う。さらに、対象地の一部地域を抽出し廃電気電子機器の発生量を調査する。これらの調査結果を用いて、対象地全体でE-wasteリサイクル産業に従事する労働者の人数を推計する方法を開発する。

外部との連携

ハノイ貿易大学(ベトナム)

備考

寄付元:三菱財団

課題代表者

横尾 英史