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マングローブ植物への新たな窒素供給経路の検証ー呼吸根通気システムと窒素固定(平成 28年度)
Mangrove plants and nitrogen fixers

予算区分
CD 文科-科研費
研究課題コード
1620CD003
開始/終了年度
2016~2020年
キーワード(日本語)
マングローブ,窒素
キーワード(英語)
mangroves, nitrogen

研究概要

これまでに,マングローブ植物の根圏で活発な窒素固定が行われていることを見出した.
本課題では,
・マングローブ植物の有機物生産は根近傍の窒素固定バクテリアの活動に支えられている.
・マングローブ植物の呼吸根(通気組織)を介した空気輸送経路が窒素固定菌への窒素供給経路として機能している.
という,これまで想定されてこなかった新たな仮説を検証し,マングローブ植物の窒素獲得プロセスを明らかにすることを目的とする.

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:応用科学研究

全体計画

本課題は,以下の3つを柱として進める.
(i) マングローブ植物の根近傍における窒素固定活性の定量【アセチレン還元法】
(ii) 窒素固定バクテリアの群集構造の解明【メタゲノム解析】
(iii)植物と窒素固定バクテリアとの相互関係の検証と同化経路の特定【重窒素トレーサー法】
(i)と(ii)については,野外調査と栽培実験の双方により計測を行う.(iii)については,温室内に操作チャンバーを設置して検証実験を行う.

今年度の研究概要

メタゲノム解析によりマングローブ試料中に存在するバクテリアの種や群集構造を網羅的に解析する.アセチレン還元法により窒素固定活性が検出されたサンプルからDNAを抽出し,バクテリアの種判別に用いられる遺伝子領域である16SrRNAおよびニトロゲナーゼ遺伝子をPCRにより増幅する.PCR増幅産物のシーケンスを次世代シーケンサーにて行い,塩基配列アセンブラーにてクラスタリングする.得られた配列について,細菌類近隣既知配列群の所属分類群に基づいた生物同定を行う.
また,栽培実験のための種子の採集をして栽培を開始する.重窒素(15N)トレーサー法を用いた栽培実験を行うための栽培チャンバーシステムの製作,予備計測を行う.

外部との連携

東邦大学 下野綾子講師

課題代表者

井上 智美

  • 生物多様性領域
    環境ストレス機構研究室
  • 主幹研究員
  • 理学博士
  • 生物学,化学
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担当者