- 予算区分
- CD 文科-科研費
- 研究課題コード
- 1315CD013
- 開始/終了年度
- 2013~2015年
- キーワード(日本語)
- アジア,都市化,周縁農村域,社会的脆弱性,生活質
- キーワード(英語)
- Asia, urbanization, rural area, social vulnerability, living quality
研究概要
アジア地域,とりわけベトナム国では都市化や経済発展が著しく、それに伴って都市域への人口集中、農村域での過疎化、都市と農山漁村の格差や不均衡な発展、農山漁村における資源収奪的な生産活動を助長するなどの地域格差、経済格差と貧困層の増大など新たな社会的弱者層が生じている。都市域を主に新たな環境問題に対処すべく制度化が進められる一方で、依然として環境問題は周縁部や社会的弱者層の社会的脆弱性を助長させる結果となっている。社会全体の健全な発展のためには、周縁部や社会的弱者層の複合的な社会的脆弱要素を把握し、持続的な都市農村連環発展のあり方を示すことが急務である。
本研究は、急速に発展するベトナム中部において、都市化・市場経済化にともなう都市域とその周縁農村域に居住する住民の生活質(居住環境、食生活、環境衛生、生業活動、コミュニティ)の変容を検証し、新たに生じる社会的脆弱性の実態を明らかにする。都市と農村の連環からその因果関係を理解することで、都市と農村の暮らしに資する持続的な都市農村連環発展モデルを構築する。
研究の性格
- 主たるもの:行政支援調査・研究
- 従たるもの:政策研究
全体計画
本研究は、急速に発展するベトナム中部において、都市化・市場経済化にともなう都市と周縁部の生活質の変容と新たに生じる社会的脆弱性の実態を明らかにするため、(1)健全な居住環境、(2)安全な食生活、(3)適切な衛生環境、(4)安定的な生業活動、(5)地域コミュニティの視点を軸として、生活の質の変容の抽出・類型化、リスク指標の構築を行い、社会的脆弱性の問題構造を解明し、暮らしの生活質の維持向上に資する持続的な都市農村連環発展モデルを構築することを目的とする。調査地は、歴史的な都市基盤が存続しているフエとその周縁部、また新しい都市開発によって都市発展が著しいダナンとその周縁部とする。研究体制は、京都大学、フエ大学、ダナン大学の研究者や行政と調査を進める。
今年度の研究概要
ベトナム中部における統計資料(気象データ、災害統計、国勢センサス、社会経済統計)や政策ペーパー(地域開発、環境保全、地域防災)、国際機関・NGOの活動報告書など文献資料の分析による地域概況の把握、衛星画像や地図からの地理情報の整理と基本主題図の作成、中央や地方行政府への聞き取り調査を行なう。
外部との連携
共同研究機関:京都大学(代表)、ベトナム国ヴァンラン大学、ベトナム国土木工科大学、ベトナム国ダナン大学
課題代表者
河井 紘輔
- 資源循環領域
資源循環社会システム研究室 - 主任研究員
- 博士(地球環境学)
- 土木工学,システム工学