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脂肪酸マーカーを用いたアオサ-底生動物間における有機物フローの解明(平成 25年度)
Investigation of organic matter flow between macroalgae-macrozoobenthos using fatty acid analysis

予算区分
AQ センター調査研究
研究課題コード
1313AQ002
開始/終了年度
2013~2013年
キーワード(日本語)
脂肪酸分析,底生動物,大型藻類,有機物フロー
キーワード(英語)
Fatty acid analysis, Zoobenthos, Macroalgae, Organic matter flow

研究概要

緑藻のアオサ類が著しく増殖・堆積(グリーンタイド)した東京湾の谷津干潟と、グリーンタイドが生じない各地の干潟で採取した底生動物、さらに特定の餌を与えた飼育個体について、体組織に含まれるアオサ特異的な脂肪酸マーカーの割合を比較することで、アオサ−底生動物間における有機物フローを解明する。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:

全体計画

(1)アオサ由来有機物の判別手法の確立
アオサ由来有機物の動態を解明する上で、底生動物が「新鮮なアオサ」を食べているのか、「微生物による分解を経たアオサ」を食べているのかが、重要な問題となる。一般に、“18:2 (n-6), 18: 3 (n-3)脂肪酸”が緑藻特異的なマーカーである。しかし、アオサ類は多くの外来種・未記載種を含んでおり、同種でも細菌による分解が進むと脂肪酸組成が大きく変化する。そこで、各地の干潟でアオサ類を採取し、種判別後に(協力:生物C 玉置さん)脂肪酸分析を行い、「新鮮なアオサ」と「腐敗アオサ」を特徴付ける脂肪酸マーカー組成を特定する。

(2)底生動物へのアオサ由来有機物の寄与推定
アオサが卓越する谷津干潟とそれ以外の干潟では、底生動物の餌が大きく異なっていると予想される。そこで、各干潟で底生動物を採取し、脂肪酸組成とCN安定同位体比を比較する。これと並行して、室内で摂食実験を行い、対象とする脂肪酸マーカーの餌資源−底生動物間での移行割合に関するデータを得る。以上の結果を総合し、谷津干潟の底生動物が「新鮮なアオサ」と「腐敗アオサ」由来の有機物を、季節によってどれくらい食べているかを推定する。

今年度の研究概要

(1)アオサ由来有機物の判別手法の確立
アオサ由来有機物の動態を解明する上で、底生動物が「新鮮なアオサ」を食べているのか、「微生物による分解を経たアオサ」を食べているのかが、重要な問題となる。一般に、“18:2 (n-6), 18: 3 (n-3)脂肪酸”が緑藻特異的なマーカーである。しかし、アオサ類は多くの外来種・未記載種を含んでおり、同種でも細菌による分解が進むと脂肪酸組成が大きく変化する。そこで、各地の干潟でアオサ類を採取し、種判別後に(協力:生物C 玉置さん)脂肪酸分析を行い、「新鮮なアオサ」と「腐敗アオサ」を特徴付ける脂肪酸マーカー組成を特定する。

(2)底生動物へのアオサ由来有機物の寄与推定
アオサが卓越する谷津干潟とそれ以外の干潟では、底生動物の餌が大きく異なっていると予想される。そこで、各干潟で底生動物を採取し、脂肪酸組成とCN安定同位体比を比較する。これと並行して、室内で摂食実験を行い、対象とする脂肪酸マーカーの餌資源−底生動物間での移行割合に関するデータを得る。以上の結果を総合し、谷津干潟の底生動物が「新鮮なアオサ」と「腐敗アオサ」由来の有機物を、季節によってどれくらい食べているかを推定する。

外部との連携

共同研究者:西村修(東北大学工学部)、藤林恵(東北大学工学部)、山田勝雅((独)水産総合研究センター西海区水産研究所)

関連する研究課題

課題代表者

金谷 弦

  • 地域環境保全領域
    海域環境研究室
  • 主幹研究員
  • 博士 (理学)
  • 生物学
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