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気候感度の物理パラメータ不確実性のメカニズム解明と制約(平成 25年度)
Understanding and constrains of physics parameter uncertainty in climate sensitivity

予算区分
CD 文科-科研費
研究課題コード
1113CD004
開始/終了年度
2011~2013年
キーワード(日本語)
気候モデル,気候感度,不確実性
キーワード(英語)
Climate model, Climate sensitivity, Uncertainty

研究概要

CO2濃度が産業革命前の2倍になった場合の全球平均地上気温上昇量を示す気候感度の予測には、大気海洋結合モデル(AOGCM)間で大きな不確実性がある。ここでは日本で開発してきた最先端のAOGCMであるMIROC5を用いて、複数の物理スキームのパラメータ値を観測の範囲内で走査する大規模なアンサンブル実験を行い、気候感度の物理パラメータ不確実性の定量化と、そのメカニズムの解明を目指す。さらに観測データとの比較により、現実的な気候場を再現しえるパラメータ値の範囲を拘束条件として、気候感度の不確実性の制約を行う。くわえて、国外の研究機関との間で物理アンサンブル実験のモデル間相互比較研究を行う。これにより、地球温暖化に対する適応策、緩和策の基礎情報となる気候感度の不確実性の要因解明・制約に貢献する。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:応用科学研究

全体計画

(2011年度)
大気海洋結合モデルをもちいて効率的かつドリフトを避けて物理アンサンブルを行うために、まず大気モデルによる実験を行い、必要な情報を得る。その情報を用いて実験デザインを決定し、100組以上のアンサンブル気候感度実験を行う。

(2012年度)
実験結果を分析することで、気候感度の不確実性に大きな影響をもたらす主要パラメータを特定し、そのパラメータが気候感度に影響するメカニズムを明らかにする。さらに各実験のモデル気候場を観測データと比較することにより、現実的な気候場を再現できるパラメータ値の範囲を調べ、それを拘束条件として気候感度の不確実性を制約する。

(2013年度)
国際連携によるモデル相互比較研究によって、モデル間で共通する性質と、異なる特徴を明らかにする。

今年度の研究概要

MIROC5の物理アンサンブル実験の出力データを、他のモデルの物理アンサンブル実験データやマルチモデルアンサンブル実験データと比較することで、それぞれのアンサンブルの特性、および共通する性質などを明らかにする。具体的には、下記の点を調査する。
(1) コントロール実験におけるバイアスに関して、各アンサンブルで同じようなばらつきが見られるのか、それとも各アンサンブルに特有の偏りがあるのか。
(2) 気候感度のばらつきを支配するプロセスが、各アンサンブルで共通するのか、違うのか。
(3) 気候感度とバイアスとの間の関係が、各アンサンブルに特有の物なのか、それとも共通するのか。

外部との連携

共同研究機関:東京大学大気海洋研究所

課題代表者

塩竈 秀夫

  • 地球システム領域
    地球システムリスク解析研究室
  • 室長(研究)
  • 理学博士
  • 地学,理学
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担当者