- 研究課題コード
- 1115AA022
- 開始/終了年度
- 2011~2015年
- キーワード(日本語)
- アジア,都市廃棄物,適正管理,準好気性埋立,分散型排水処理,廃棄物管理計画支援ツール
- キーワード(英語)
- Asia, Municipal Solid Waste, Appropriate Management, Semi-Aerobic Landfill, Decentralized Wastewater Treatment, Support Tool for Waste Management Plan
研究概要
都市への人口集中が激化しているアジアにおいて、公衆衛生を改善し,低炭素・低環境負荷型であり、地域に適正な廃棄物管理システムを構築するため,東南アジアに研究拠点を形成し、アジアの都市における廃棄物の現状を把握し、国産技術である分散型生活排水処理技術および準好気性埋立技術のアジア各地域へのカスタマイズを行う。また、これらを既存の技術と併せて評価することで、各都市域において適正な処理・資源化を実現するための廃棄物管理システム導入に向けた計画支援ツールを開発する。そして、以上のハード及びソフト研究成果を踏まえて適正な廃棄物管理システムを実際の都市や地区へ実装することを目指す。
今年度の研究概要
(1)タイにおけるテストセルおよびライシメータ実験を継続すると共に、多孔質二相流モデルを用いて、現地条件下での埋立内部の大気と水分の空間分布と酸素浸入・消費量を表現できるよう定式化する。また、準好気性埋立の現地化に向けた技術指針の作成に着手する。浸出水循環の時期・位置・量に関する運転条件を提示する。埋立地敷地内にパイロットスケールの人工湿地を設置し、実浸出水を対象とした処理・運転性能を評価する。浸出水貯留池を広範囲かつ簡易に人工湿地への改変を可能とする基盤材・植生を選定する。浸出水質に適合した水処理技術(嫌気性消化・光触媒)に関する実験室での基礎的な検討を開始する。アジア各国における廃棄物管理体系の履歴と現状、浸出水対策の現状調査を行う。
(2)アジア地域における分散型液状廃棄物処理技術の応用実態の調査を踏まえ、低動力・省エネ型の資源化技術と残渣の適性処理技術の開発、最適運用条件の解析と未利用バイオマスの開発技術への適用性の評価を重点的に行う。また、途上国における汚泥処理シナリオの解析・評価とアジアの埋立地浸出水の人工湿地による処理および浄化槽の国際展開・基準化研究活動を実施する。
(3)アジア都市部における都市ごみストリーム及び各管理プロセスに係るユーティリティ等のインベントリを明らかにし、都市ごみ管理システムに関する環境負荷等を評価する。ベトナム・ホーチミン市で分別パイロット調査を実施し、モニタリングデータを収集する。マレーシア・クアラルンプール都及びペナン市をケーススタディとして現地の廃棄物処理ニーズ及び日本の静脈産業進出の可能性に関して考察する。
外部との連携
共同研究機関:(1) 福岡大学、高知大学、大阪大学、カセサート大学、キングモングット大学、ソウル市立大学、ベトナム国立大学、(2) 東北大学、福島大学、筑波大学、東京大学、日本環境整備教育センター、中国環境科学研究院、中国農村汚水処理技術北方研究センター、上海交通大学、武漢大学、東南大学、天津農学院、中国科学院瀋陽応用生態研究所、江蘇省環境科学研究院、(3) 京都大学、株式会社エックス都市研究所、株式会社市川環境エンジニアリング、都市環境産業研究所(ベトナム)、ホーチミン市(ベトナム)