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亜鉛等重金属類の水生生物への複合毒性の評価(平成 23年度)
Compound toxicity evaluation of the heavy metals such as zinc for aquatic organisms.

予算区分
CD 文科-科研費
研究課題コード
1011CD005
開始/終了年度
2010~2011年
キーワード(日本語)
複合毒性,重金属,オオミジンコ,急性
キーワード(英語)
compound toxicity, heavy metals, Daphnia magna, acute

研究概要

通常重金属汚染地域では,単一の金属による汚染はまれである。これら汚染地域において生態リスク評価を遂行し生態系管理手法を確立するには,重金属の複合毒性を理解する必要がある。Kamo & Nagai (2008)は重金属の複合影響を予測するモデルを提案しているが,多分に理論的な予測であり検証が必要である。本研究では,実験室において重金属の複合毒性試験を行い,理論の検証を進めると同時に,より精緻なモデルを構築するためのデータを取得することを目的とする。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:行政支援調査・研究

全体計画

2010年度
オオミジンコを用いた毒性試験により、亜鉛と銅について複合影響を調べる。そのための毒性試験法の確立を行う。また、モデルによる予測と毒性試験結果を比較し、モデルの妥当性を検証する。

2011年度
魚類を想定した先行研究では、複合曝露による毒性は試験水の硬度に影響を受けると示唆されている。ミジンコでも硬度による毒性の変化が見られるかモデルを用いて理論的に検証するとともに、いくつかの硬度において複合曝露試験を行い、硬度の影響を検討する。

今年度の研究概要

オオミジンコ試験については、昨年度までのデータの信頼性を担保するための追加実験を行うが、当面今まで得られた結果を用いたモデル解析に重点をシフトする。昨年度得られたデータから、やはり濃度反応関係を予測するBLMを構築し、濃度と死亡率をモデルで関連づける。既存のモデルではLC50付近での死亡率の変化しか調べることができなかったが、例えば25%半数致死濃度(LC25)やLC75などの予測も行うことを可能にする。このモデルを用いることで、どの濃度の組み合わせでも死亡率を予測することが可能となり、複合影響を考慮したリスク評価が可能となる。

備考

独立行政法人産業総合技術研究所・加茂将史

関連する研究課題

課題代表者

多田 満

  • 生物多様性領域
  • シニア研究員
  • 博士(農学)
  • 生物学,文学,農学
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