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廃プラスチックのリサイクル過程における有害化学物質の排出挙動と制御に関する研究(平成 23年度)
A study on the emission and control of hazardous compounds in the recycling process of waste plastics

予算区分
BC 環境-公害一括
研究課題コード
1012BC001
開始/終了年度
2010~2012年
キーワード(日本語)
プラスチック,リサイクル,有害化学物質
キーワード(英語)
plastics, recycle, hazardous compounds

研究概要

廃プラスチックの処理/リサイクル過程で排出される化学物質について,プロセス挙動,作業環境濃度,環境排出濃度の施設内や施設間再現性/変動を確認し,代表データを得る目的で調査例数を増やした調査を行う。併せて,ラボスケールの排出実験を行い,排出メカニズムについて科学的な考察を行う。これらに基づいて,実施設の運転にあたって化学物質排出を制御する方策について検証,考察を行う。

研究の性格

  • 主たるもの:応用科学研究
  • 従たるもの:モニタリング・研究基盤整備

全体計画

(1)実施設におけるフィールド調査研究
全国の一廃系,産廃系プラスチックの処理/リサイクル施設を対象に,事業内容と処理プロセス等についてアンケート調査(必要に応じてヒアリング)を実施し,全体情報の把握を行うとともに,調査対象施設選定の手掛かりとする。一廃系,産廃系プラスチックの処理/リサイクル施設(保管,圧縮梱包,破砕,造粒,成型施設)における有害化学物質,特にVOCの排出実態を把握するため,実施設における作業環境,プロセス排ガス試料,周辺大気試料等を採取し,分析を行う。プロセス挙動調査では,対照として周辺環境大気(及び一般住環境)との比較を行うとともに,発生源(原因となるプラスチックや発生要因)についての考察を行う。施設調査で得られた作業環境,最終排ガス中のVOC個別物質濃度は,各種排出基準値等との数値比較を実施し,リスク評価に向けた基礎的解析を実施する。(2)ラボスケール実験に基づいた化学物質発生・放出メカニズム研究
プラスチックの種類や組み合わせ,処理条件等を変えたラボスケールの排出実験を行い,VOCの発生(物質の種類や濃度)に関与する要因について考察を行う。
(3)化学物質の新規分析モニタリング手法の開発研究
VOCは個別物質一斉分析と包括的分析(total-VOC)の両手法による測定を行う。新規対象物質については,試料採取や前処理,分析法といったモニタリング技術開発を進める。現場での連続自動分析法として,水素炎イオン化検出器(FID)によるtotal-VOC測定を適用し,施設内でのVOC排出量の再現性/変動をみる。

今年度の研究概要

実施設調査を継続実施する(4施設程度)。調査施設数を増やし、排出化学物質の定性、定量に関して知見を蓄積することを目標とする。また、施設調査で得られた作業環境、最終排ガス中のVOC個別物質濃度は、各種排出基準値等との数値比較を実施し、リスク評価に向けた基礎的解析を実施する。
プラスチック処理条件別(温度別)の検討を行う。廃プラスチックの処理温度は、保管や圧縮梱包時の常温、破砕やRPF製造時の低温域)、成型再生品化の中温域といった異なる温度帯で加熱試験や造粒試験を実施し、発生VOCの放出特性を把握、整理する。
新規対象物質について、試料採取や前処理、分析法といったモニタリング技術開発を進め、実試料への適用試行を行う。

外部との連携

共同研究機関:千葉大学、岐阜県産業技術センター、鳥取県生活環境部衛生環境研究所、社団法人全国産業廃棄物連合会

課題代表者

滝上 英孝

担当者

  • 渡部 真文