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ディーゼル起源ナノ粒子内部混合状態の新しい計測法 (健康リスク研究への貢献)(平成 23年度)
Novel method for characterization of internal mixture of chemical components in diesel nanoparticles

予算区分
BD 環境-環境技術
研究課題コード
1012BD002
開始/終了年度
2010~2012年
キーワード(日本語)
ディーゼルナノ粒子,内部混合状態,無機物,有機物,レーザー共鳴多光子イオン化法,収束イオンビーム二次イオン質量分析装置
キーワード(英語)
diesel nanoparticles, internal mixture, inorganic compounds, organic compounds, Resonance Enhanced Multiphoton Ionization, Focused Ion Beam Secondary Ion Mass Spectrometry

研究概要

ディーゼルナノ粒子およびディーゼル車が多く走行する幹線沿いの大気中ナノ粒子に対して、収束イオンビーム二次イオン質量分析装置、走査型電子顕微鏡、レーザー共鳴多光子イオン化法を組み合わせた収束イオンビーム質量顕微鏡を適用し、従来の分析手法では明らかになっていない一粒子単位の化学組成(有機物・無機物)や、それらの内部混合状態の情報を獲得する為の手法を確立する。ディーゼルナノ粒子の毒性評価、健康リスク研究に、その情報を提供することを目的とする。

研究の性格

  • 主たるもの:技術開発・評価
  • 従たるもの:基礎科学研究

全体計画

エンジンダイナモ上のエンジン、希釈システムを備えたディーゼルナノ粒子曝露施設でディーゼルナノ粒子の発生を行う。また、ディーゼル車が多く走行する沿道環境中でのナノ粒子のサンプリングを行う。ナノ粒子の捕集は多段型低圧インパクタを用いて、空気力学的な分級をするとともに捕集するが、捕集および分析に適した試料作成法を確立する。ディーゼルナノ粒子は質量顕微鏡の分解能限界に迫るサイズであるため、振動やドリフトといった外乱要素がこれまでよりも大きく作用することが予想されるため、適宜解決を図り、無機物の同定をする。ナノ粒子に含まれると推定される有機化合物をイオン化できるレーザー波長を選定し、測定可能な有機物の確認を行い、順次、実サンプルへ適用する。

今年度の研究概要

エンジンダイナモ上のエンジン、希釈システムを備えたディーゼルナノ粒子曝露施設でディーゼルナノ粒子の発生を行う。ナノ粒子は昨年度確立した方法により空気力学粒径30-400nmの範囲の6粒径区分について採取する。冬季にはディーゼル車が多く走行する道路沿いにおいて環境中ナノ粒子を捕集する。それらの試料について、質量顕微鏡により観察を行い、粒子の内部混合状態を把握する。粒径、形態、化学組成による粒子種別にタイプ分けして存在比を定量化する。一方有機物については実サンプルでピレンの検出を行う。

外部との連携

共同研究者:坂本 哲夫(工学院大学工学部電気システム工学科ナノエレクトロニクス研究室 准教授)、三澤 健太郎(東京工業大学資源化学研究所分光化学部門 特任助教)

課題代表者

藤谷 雄二

  • 環境リスク・健康領域
    統合化健康リスク研究室
  • 主幹研究員
  • 博士(工学)
  • 工学
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