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生物多様性・生態系情報の基盤整備(平成 23年度)
Monitoring projects and database management of biodiversity and ecosystem

研究課題コード
1115AP090
開始/終了年度
2011~2015年
キーワード(日本語)
湖沼モニタリング,生物多様性
キーワード(英語)
monitoring of lake environment, biodiversity

研究概要

長期にわたる継続的な生物多様性・生態系の監視を継続するとともに、生物多様性や生態系の評価・予測・保全・再生に向けた情報基盤整備を推進する。

3−1 陸水域(湖沼)モニタリング
(1)GEMS/Water ナショナルセンター事業
国連(UNEP)の地球環境監視システム陸水監視部門(GEMS/Water)のわが国のナショナルセンターとして、地方公共団体などから提供される河川・湖沼における観測点の水質データを収集し、世界最大規模の淡水水質データベースGEMStatへの登録を行う。
(2)霞ヶ浦トレンドモニタリング
代表的な富栄養湖である霞ヶ浦を、GEMS/WaterトレンドモニタリングステーションおよびJaLTER(日本長期生態学研究)のコアサイトとして、定期的な採水・採泥調査と生物調査を実施し、分析結果はデータベースで整備・公開する。
(3)摩周湖ベースラインモニタリング
GEMS/Waterベースラインモニタリングステーションとして、高感度分析技術に基づき、大陸規模における化学物質の長距離物質輸送の定量的評価とその長期変動を解明する。また日本最大の透明度を持つ摩周湖の透明度長期変化に関しても、先端的な観測方法と生物群集の変動から、透明度の長期変動とその要因について解析する。

3−2 データベースの整備
環境微生物の分類・記載、絶滅危惧種の保全、侵入生物、ため池の流域データ整備、霞ヶ浦モニタリングなど、これまで個別問題に対応するために構築されてきた生物多様性と生態系に関係するデータベースの一層の拡充を図るとともに、複数のデータベースを横断利用するための整備を行う。

今年度の研究概要

3−1 陸水域(湖沼)モニタリング
(1)GEMS/Water ナショナルセンター事業
 わが国における事務局機能を果たすとともに、GEMS/Waterの国際活動に対して技術支援を継続する。GEMStatへの迅速なデータ提供へ向けて、測定方法コードの整備を行う。
(2)霞ヶ浦トレンドモニタリング
 多様な汚濁源を有する富栄養湖の水質・底泥や生物群集(プランクトン、ベントス、魚類など)の定期調査を継続し、長期観測によるデータの蓄積から水質汚濁の特徴や生物群集の動態などを解明する。多項目水質センサーや最新のプラズマ分光分析手法などの導入を通して、モニタリング手法の開発・改良を行う。また、JaLTER(日本長期生態学研究ネットワーク)と連携し、生物の長期データの整備する。
(3)摩周湖ベースラインモニタリング
 年2回程度の観測により、大陸規模における化学物質の長距離物質輸送の定量的評価を行うとともに、水中光学的な観測及び連続的な係留観測、プランクトン群集の季節変動を通じて、透明度の長期変動と要因を解明する。

3−2 データベースの整備
 侵入生物データベースについては、未登録の既知種について文献収集を行い新規登録を進めるとともに、登録ずみの種についても、誤記の修正や最新情報の追加を随時行う。国内未定着種の登録については、未登録の要注意外来生物についてすべて登録する。また、自治体や多国の規制情報や、海外における高影響種について情報収集し、登録候補種を選定する。メタ情報データベースについては、国内外の外来生物関連の情報源における掲載情報を収集・分析したうえで、簡便かつ外来生物情報かつ十分な情報検索能力を持つスキーマを考案し、試験的なデータベース構築を行う。また、国内の調査・駆除マニュアルなどについて収集を行い、リスト化したうえでデータベースを作成する。
 湖沼・ため池などのデータベースについては、日本各地からの情報収集と整備を行う。
 微細藻類については、環境問題を引き起こす数種についての、情報収集・整備を実施する。

外部との連携

3−1 陸水域(湖沼)モニタリングは、JaLTER(日本長期生態学研究ネットワーク)や環境省モニタリングサイト1000と連携する。摩周湖ベースラインモニタリングは北海道立総合研究機構、北見工業大学、北海道大学、千葉大学、山梨大学、京都大学との共同研究として実施。

備考

3−1 陸水域(湖沼)モニタリングは、地域環境研究センター、環境計測研究センター、地球環境研究センターと密に連携して進める。

課題代表者

高村 典子

担当者