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樹木葉圏において微生物群集がアンモニア酸化に及ぼす影響(平成 22年度)
Ammonia oxidation on the phyllosphere influenced by microbial processes

予算区分
AF 奨励
研究課題コード
1011AF007
開始/終了年度
2010~2011年
キーワード(日本語)
葉圏,アンモニア酸化細菌,アンモニア酸化古細菌,窒素循環,硝化
キーワード(英語)
phyllosphere, ammonia-oxidizing bacteria, ammonia-oxidizing archaea, nitrogen cycle, nitrification

研究概要

葉圏には多くの微生物が存在するが、地球規模の物質循環の中でどのような役割を果たしているのかについては不明である。予備検討より、葉圏において微生物由来と考えられるアンモニア酸化が起きていることを発見した。地球上に存在する葉の表面積は膨大であり、地球規模の窒素循環を考えた場合、葉圏微生物の寄与を推定することは、重要な検討課題である。本研究では、アンモニア酸化微生物が樹木葉圏に存在し、窒素動態に寄与しているのかを明らかにし、森林生態系における樹木葉圏微生物の役割解明を目指す。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:

全体計画

研究期間は2010年9月〜2011年9月まで(1年間)
1) サンプル採取
筑波山、東北大学演習林および国立環境研究所敷地内より樹木(針葉樹、広葉樹)の葉を採取し、超音波処理および遠心分離により葉圏の微生物を回収する。
2) アンモニア酸化遺伝子(amoA)および16S rRNA遺伝子の解析
集めた菌体よりDNAを回収する。真正細菌および古細菌に特異的なアンモニア酸化遺伝子(amoA)および16S rRNA遺伝子プライマーを用いて遺伝子断片を増幅し、クローニングによりアンモニア酸化遺伝子および微生物の存在を確認する。
3) アンモニア酸化微生物群集の動態
アンモニア酸化微生物群集構造が、季節および樹種間で変動するのかを、PCR-DGGE法、T-RFLP法およびクローニング手法により明らかにする。
4) アンモニア酸化微生物群集の現存量の把握
amoAおよびアンモニア酸化微生物の16S rRNA遺伝子をターゲットとした定量PCR法により、アンモニア酸化微生物の季節および樹種間の変動を定量的に把握する。また、アンモニア酸化細菌および古細菌をターゲットとした、蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブを用いたFISH法により、葉圏の全微生物に対するアンモニア酸化微生物の存在割合を明らかにする。
 上記の実験により、樹木葉圏におけるアンモニア酸化微生物の現存量を明らかにし森林生態系の窒素循環における葉圏微生物の役割を解明する。

今年度の研究概要

まず始めに、樹木の葉から微生物のDNAを抽出し、アンモニア酸化遺伝子(amoA)および16S rRNA遺伝子をターゲットとしたクローニングにより、アンモニア酸化微生物存在を確認する。得られたアンモニア酸化微生物のクローンは、系統解析によりどのような微生物群に属するのかを明らかにする。次に、PCR-DGGE法により、アンモニア酸化微生物群集が季節および樹種間で変動するのかを明らかにする。

関連する研究課題
  • 0 : 領域プロジェクト

課題代表者

渡邊 圭司

担当者