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循環過程を含む製品ライフサイクルにおけるBFRのリスクコントロールに関する研究(平成 21年度)
Study on the health risk control of brominated flame retardants in the lifecycle of articles

予算区分
BE 環境-循環型社会
研究課題コード
0911BE004
開始/終了年度
2009~2011年
キーワード(日本語)
臭素系難燃剤,製品,リスク,ライフサイクル,制御
キーワード(英語)
BFR, article, risk, life cycle, control

研究概要

BFRについては、現行製品からヒトへの室内曝露の寄与の大きさを示唆する報告が多くなされており、曝露メカニズムの解明とそれに根ざした技術対策が代替化を待たずして急務である。また、BFRを含有する可能性のある循環製品の安全性や、BFRに替わる代替物質の環境挙動や健康影響に関する情報も十分とは言えず、製品ライフサイクルを見通した情報集積が必要である。機能や安全性、資源消費や環境負荷等を総合的に見据えた製品・循環製品の化学デザインが必要であり、それらの観点からBFRとその代替難燃剤をモデルとして定量的に比較し、代替の妥当性を検討するアプローチについても試みる。

研究の性格

  • 主たるもの:応用科学研究
  • 従たるもの:基礎科学研究

全体計画

製品・循環製品のBFR含有状況を明らかにし、製品からの曝露メカニズムについて微視的な視点から明確にし、ハウスダストや室内空気を介した曝露量について、科学的根拠のある推定を行う。
曝露メカニズムに関する知見に基づいて、住環境、作業環境(特に途上国)において実効性のあるBFRの制御対策を立案、実施し、曝露媒体及びヒト体内負荷の低減について確認を行う。
電気電子材料、建築材料を対象とした3Rシナリオ解析を行い、BFRの望ましい代替や再生、適正廃棄を促すシステムのあり方について検討する。
BFRの代替難燃剤としての有機リン系化合物の製品ライフサイクルにおける挙動やハザードに関する情報を、実験調査を通じて収集する。BFRと代替難燃剤の得失について室内製品を対象として化学リスク、他の環境負荷指標、機能品質等の観点から統合的に評価する。

今年度の研究概要

製品、循環製品のBFR含有量についてスクリーニング分析、精密分析に基づいた調査を行う。
ハウスダスト中のBFRの存在性状について微小部蛍光X線分析等を用いて明らかにし、製品からダストへの移行メカニズムに関する考察を行う。個人サンプラーによるBFRモニタリングのバリデーションを行い、吸入曝露データを収集する。
住宅やオフィスにおける室内環境調査、途上国e-wasteリサイクル現場等におけるフィールド調査を行い、BFR排出に関する現状把握を行う。
有機リン系代替難燃剤の分析方法を確立し、物性情報について測定あるいは推算により獲得する。また、製剤ベースでの光分解性や加水分解性を調べ、不純物や分解産物の化学情報や毒性について明らかにする。
実測データを収集しつつ、BFR、代替難燃剤の物質フロー・環境動態モデルの構築を進め、かつ、3Rシナリオ枠組みの設定を行う。

備考

共同研究者:酒井伸一(京都大学),平井康宏(京都大学),田辺信介(愛媛大学), 高橋 真(愛媛大学),森 千里(千葉大学),松野 義晴(千葉大学),戸高恵美子(千葉大学)

関連する研究課題

課題代表者

滝上 英孝

担当者