炭化水素産生藻類による石油代替資源の開発に関する基盤技術研究（平成 21年度）
Basic Research for production of alternative energy by using microalgae

研究概要

体外に炭化水素を産生する緑藻、Botryococcusを利用した石油代替エネルギー生産の実用化をめざし、増殖・炭化水素産生の優れた培養株の探索・取得を行い、各培養株において産生する炭化水素分子種の情報を調べ、培養株及び各株の炭化水素種の情報を提供する。さらに、炭化水素生産時に発現している遺伝子の解析と遺伝子導入技術の開発、炭化水素産生・分泌機構を解明し、炭化水素合成と分泌の増産に資する分子生物学的基盤を確立する。

研究の性格

• 主たるもの：基礎科学研究
• 従たるもの：技術開発・評価

全体計画

炭化水素生産能、増殖能の点で、より優れた株を独自に収集し、炭化水素の分析・機能評価を行う。保存株基盤情報の整備を行う。次にそれらを安定かつ大量に培養するための物理・化学的培養条件、リアクター、培養形式、雑菌等の汚染対策、高密度培養時の光供給条件等を検討し、最適培養条件を確立する。炭化水素生産時に発現している遺伝子を網羅的に解析しデータベース化する。遺伝子導入技術の開発、炭化水素産生・分泌機構の解明をおこない、炭化水素合成と分泌の増産に資する分子生物学的基盤を確立する。

今年度の研究概要

Botryococcus brunii 70の大規模EST解析より得られた、オイル代謝系遺伝子の発現パターンをReal time PCRを用いて解析し、オイル合成経路の特定をおこなう。律速段階の酵素については、大腸菌や酵母で発現させて酵素活性を測定し、酵素学的な性質を調べる。コロニーサイズや形状に及ぼす栄養塩や微量元素等の影響について、培養試験を行うとともに、オイルや他の分泌物質との関連性について調査する。