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摩周湖の透明度の低下原因解明と総合的環境保全に関する研究(平成 20年度)
Study on the evaluation of factors limiting transparency of Lake Mashu toward its integrated environmental preservation

予算区分
BC 環境-公害一括
研究課題コード
0810BC002
開始/終了年度
2008~2010年
キーワード(日本語)
摩周湖,透明度
キーワード(英語)
LAKE MASHU, TRANSPARENCY

研究概要

摩周湖は1931年に41.6 mの世界最高の透明度を記録した。摩周湖は国立公園の特別保護地区にあり、集水域に人為的汚濁源はないにも関わらず、近年の透明度は長期的な低下傾向を示しつつある。摩周湖は北海道を代表する観光資源であり、その透明度の変化に関する社会的な関心は高い。本研究は、物理・化学・生物・地理的側面から、最新の機器等を活用して摩周湖の現状を把握、解析し、摩周湖の透明度を規定している要因を探るとともに、それを維持、回復するための方策について検討する。

研究の性格

  • 主たるもの:応用科学研究
  • 従たるもの:モニタリング・研究基盤整備

全体計画

透明度とその主な規定要因と考えられる植物プランクトン・鉱物粒子量に関する連続データを物理化学量として取得する。透明度は光照度・輝度の減衰、植物プランクトンはクロロフィル蛍光強度、鉱物粒子は濁度を用いる。従来観測不可能だった結氷期を含む通年係留観測を実施する。降雨、水収支等の水文解析、過去からの地形、植生変化に関する解析を行い、降雨やカルデラ壁崩壊による土砂の流入・沈降、栄養塩の流入の状況をつかむ。摩周湖の透明度の変動要因を解析するとともに、今後の総合的な環境保全方法についての提言をまとめる。

今年度の研究概要

透明度とその主な規定要因である植物プランクトン・鉱物粒子量を代用するパラメータとして、クロロフィル蛍光強度、濁度を通年で観測する。年間の集中観測により物理・化学・生物学的な詳細データを積み上げ、係留観測の実証データを得る。摩周湖への土壌粒子、栄養塩等の流入の原因となる降水の斜面浸透等の水文解析を開始する。斜面の植生被覆、崩落について解析するために、過去の航空写真や植生に関するデータ収集を行う。摩周湖の微粒子の特性を詳細に検討し、湖水の光透過、散乱に関する基礎的なデータを収集する。

備考

共同研究機関:北海道環境科学研究センター,千葉大学,北見工業大学,山梨大学

関連する研究課題
  • 0 : その他の研究活動

課題代表者

田中 敦

担当者

  • 宇田川 弘勝