- 予算区分
- CD 文科-科研費
- 研究課題コード
- 0709CD305
- 開始/終了年度
- 2007~2009年
- キーワード(日本語)
- 脳神経系,性分化,性的二型核,揮発性有機化合物
- キーワード(英語)
- central nervous system, sexual differentiation, sexually dimorphic nucleus, volatile organic compound
研究概要
成人と比べて化学物質の影響を受けやすい胎児・小児の脳は発達段階にあり、性分化する。室内空気の汚染物質とされる揮発性有機化合物が脳神経系に作用して影響を及ぼすことが知られているが、幼若個体への影響に関する知見は乏しい。時間軸における発達期や性別は化学物質の毒性影響の程度を左右する要因(感受性要因)と成り得る。本研究では、これらの要因を配慮した化学物質曝露の影響評価法の開発を目標として、揮発性有機化合物の胎仔期曝露による脳の性分化への影響を検討し、その作用機序を解析する。
研究の性格
- 主たるもの:基礎科学研究
- 従たるもの:応用科学研究
全体計画
性分化した脳内には神経核の大きさやニューロン数など形態学的な性差がみとめられる領域(性的二型核)が存在している。本研究では、性的二型核として知られる前腹側脳質周囲核(AVPV)、Sexually dimorphic nucleus of the preoptic area(SDN-POA)等を解析対象として、揮発性有機化合物の胎仔期曝露による脳の性分化への影響検証を本年度より進める。次年度以降からは、性分化に影響を及ぼす揮発性有機化合物の作用機序解明に向けての研究を実施する。
今年度の研究概要
発達期の性的二型核では、アポトーシスを起こして死んでゆく細胞の数に性差が生じている。このアポトーシスの性差は性的二型核形成の重要な要因となっている。そこで、発達期のラットにおけるAVPVおよびSDN-POAのアポトーシスに着目して、揮発性有機化合物であるトルエンの胎仔期曝露によるアポトーシスへの影響を検証する。