- 予算区分
- BY
- 研究課題コード
- 0709BY310
- 開始/終了年度
- 2007~2009年
- キーワード(日本語)
- ホウ素,排水処理,逆浸透膜,低分子物質,生態毒性
- キーワード(英語)
- Boron, Effluent Treatment, Reverse Osmosis Membrane, Low-Molecular Substance, Ecotoxicity
研究概要
現在、多くの業種で(暫定)排水基準が未達成の状況にある中、ホウ素及びフッ素等に対応可能な技術開発がすすめば、排水処理技術の導入が遅れている事業者への設置促進が期待でき、ホウ素等の環境基準の早期達成が見込まれる。従来のプロセスに比べて低コストで保守管理が容易である特徴を持つRO膜処理によって、各種排水中のホウ素、フッ素等の除去を行うにあたり、これに適した高性能のRO膜を開発する。さらに具体的には、各種排水の中で、その多様性において代表的と考えられる最終処分場浸出水等をモデル排水と捉え、RO膜の評価に使用する。
研究の性格
- 主たるもの:技術開発・評価
- 従たるもの:応用科学研究
全体計画
現在普及しているRO膜プロセスの前処理方法である、凝集・沈殿、砂ろ過、膜ろ過などから、RO膜にとって負荷の小さい方法を選定する。選定にあたっては、排水の水質を文献ならびに現地調査により把握し、実際の処理工程ならびに室内実験を併用して各単位操作の除去率を求め、RO膜プロセスへの適用性を判断する。開発した排水プロセスの検証は、実際の最終処分場浸出水等を用いて小規模のフィールドテストにおいて行う。RO膜は、架橋芳香族ポリアミドを用い、フッ素、ホウ素等の除去性能に加え、洗浄し易いRO膜の開発を行う。
今年度の研究概要
最終処分場浸出水等の水質データを文献ならびに現地調査によって収集する。各種イオンや有機物の濃度、生態毒性試験を用いた評価を行う。前処理として検討する各単位操作後の水質、RO膜処理後の水質についても、上記の分析・評価を行う。既存の前処理工程で用いられている凝集沈殿、砂ろ過、活性炭吸着等の水処理単位操作におけるホウ素等の有害物質の除去率を、汚濁物質濃度と生態毒性により評価する。さらに、比較的新しい水処理単位操作である、MF膜やUF膜を用いた前処理におけるホウ素等の有害物質の除去率も同様に評価する。また、小規模フィールドテストの候補最終処分場等の調査・水質分析を行う。既存の前処理を行った浸出水等を用いて、現在使用している代表的なRO膜を用いた実験を行い、課題を明確にする。
備考
研究代表者:辺見昌弘(東レ(株)地球環境研究所)
課題代表者
山田 正人
- 資源循環領域
廃棄物処理処分技術研究室 - 室長(研究)
- 京都大学博士(工学)
- 工学,生物工学,化学工学
担当者
-
阿部 誠