- 予算区分
- AF 奨励
- 研究課題コード
- 0708AF556
- 開始/終了年度
- 2007~2008年
- キーワード(日本語)
- エアロゾル,ライダー,アルゴリズム,非球形ダスト
- キーワード(英語)
- aerosol, lidar, algorithm, non-spherical dust
研究概要
大気エアロゾルの性質(濃度、種類等)や動態把握(発生、輸送等)は、大気環境等の評価には欠かせない。これまでに2波長偏光ライダーデータから2種類のエアロゾル(球形の小粒子+ダスト(ないしは海塩))の各層での濃度を偏光特性ないしは波長特性を用いて推定する2つの手法が開発された。そこで本研究ではこれらの手法を統合し、偏光と波長の両特性を活用する高性能な推定手法の開発を目指す。2波長偏光ライダーデータを最大限に活用し、波長・偏光特性の違いを利用して3種エアロゾルの鉛直分布を同時抽出する手法を開発する。
研究の性格
- 主たるもの:応用科学研究
- 従たるもの:基礎科学研究
全体計画
本研究では主に以下3項目を実施する。(1)(2)についてを2007年度(10月〜3月)に実施し、(3)を2008年度(4月〜9月)に実施する。(1)『非球形性を考慮したダスト光学特性モデルの作成』回転楕円体を用いてモデル計算したダスト光学特性が実測値を良く再現することを先行研究は示した。また、回転楕円体に対する光学特性の基礎データが先行研究で作成された。本研究ではその基礎データを用いて、ダスト光学特性モデルを作成する。(2)『エアロゾル導出プログラムの作成』2波長偏光ライダーの全測定データ(波長532と1064nmでの反射強度と波長532nmでの偏光解消度)から3種エアロゾルの濃度を各層で抽出するプログラムを作成する。これまでに開発された2つの手法の1つ(波長特性を利用して2波長の反射強度から2種エアロゾルの濃度を推定)を改良する。改良点は、測定値として偏光解消度を新たに加え3種エアロゾル濃度を推定するスキームを作成すること、及び、球形を仮定したダスト光学モデルにかえ、新たに作成したダストモデルを導入することである。(3)『アルゴリズムのパフォーマンス評価』測定値の擬似シグナルを作成し、それにアルゴリズムを適用し誤差評価を行う。また、実測値へアルゴリズムを適用し、高スペクトル分解ライダー等の実測データを用いて検証を行う。
今年度の研究概要
2007年度は、回転楕円体に対する光学特性の基礎データ(先行研究で作成)を用いて、非球形性を考慮したダスト光学特性モデルを作成する。また、開発した非球形性を考慮したダスト光学特性モデルを組み込んだ、2波長偏光ライダーの全測定データ(波長532と1064nmでの反射強度と波長532nmでの偏光解消度)から3種エアロゾルの濃度を各層で抽出するプログラムを作成する。
- 関連する研究課題
- 0 : 大気圏環境研究領域P
課題代表者
西澤 智明
- 地球システム領域
大気遠隔計測研究室 - 室長(研究)
- 理学博士
- 理学 ,物理学