- 予算区分
- AF 奨励
- 研究課題コード
- 0707AF360
- 開始/終了年度
- 2007~2007年
- キーワード(日本語)
- アトピー性皮膚炎,ランゲルハンス細胞
- キーワード(英語)
- atopic dermatitis, langerhans cells
研究概要
アトピー性皮膚炎は主に遺伝的要因により発症するが、近年の患者数の増加から環境汚染物質の関与も考えられ、動物曝露実験からヒトへの影響解析に繋げる手法が必要とされている。そこで、ヒトでも利用可能な血液細胞から皮膚免疫の主要な細胞であるランゲルハンス細胞へ分化・培養する手法を確立させ、次に遺伝子的背景を考慮し、アトピー性皮膚炎に対する感受性の異なるマウス系統間で機能の比較を行う。さらに、アトピーを増悪させるDEHPの作用機序を、ランゲルハンス細胞の機能差を切り口に調べていく。
研究の性格
- 主たるもの:基礎科学研究
- 従たるもの:技術開発・評価
全体計画
免疫応答が異なることが報告されているNC/Nga、CBA/J、balb/c、C3H/He、C57BL/6などの各系統マウスの末梢血単球細胞を分離後、各種サイトカインや成長因子で刺激しランゲルハンス細胞へ分化させる培養を確立させる。各系統から分化させたランゲルハンス細胞の形態や表面抗原などの特徴を調べ比較する。同時に皮膚由来のランゲルハンス細胞との機能差も検討し、基礎的データを出す。次に、アトピー易発性のNC/Ngaマウスに対してアトピー増悪効果のあるフタル酸エステル(DEHP)を、NC/Nga由来ランゲルハンス細胞に曝露し、マイクロアレイ解析から遺伝子レベルで影響遺伝子をスクリーニングする。さらに各系統のマウスランゲルハンス細胞にもDEHPを曝露し、先ほどスクリーニングされた遺伝子についてRT-PCR法で解析し、NC/Ngaマウスでのみ発現変化する遺伝子に絞り込む。この結果から予測されるDEHPによって影響を受けるランゲルハンス細胞の機能について調べる。ランゲルハンス細胞の主要な機能として、貪食能、遊走能、T細胞活性化能、表面抗原発現量などがあり、これらを候補とする。
今年度の研究概要
末梢血からのランゲルハンス細胞の分化・培養の確立、アトピー増悪因子であるフタル酸エステル(DEHP)によるランゲルハンス細胞機能への影響解析およびその系統差の検討を行う。
- 関連する研究課題
- 0 : その他の研究活動(環境健康研究領域)
課題代表者
伊藤 智彦
- 環境リスク・健康領域
生体影響評価研究室 - 主任研究員
- 博士 (環境科学)
- 薬学,生化学