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温暖化影響早期観測ネットワークの構築(平成 19年度)
Establishment of Early Detection Network of the Global Warming Impacts

予算区分
BY 環境-委託請負
研究課題コード
0608BY023
開始/終了年度
2006~2008年
キーワード(日本語)
温暖化,環境資源,東アジア,MODIS受信システム,地上観測ネットワーク
キーワード(英語)
Global Warming, Environmental Resources, East Asia, MODIS Data Receiving System, Ground Observation Network

研究概要

東アジア地域における温暖化影響を早期に観測することと、代表的な地域における環境資源および食料需給バランスへの影響を予測するモデルを開発することを目的とする。即ち、APEISプロジェクト(平成14〜16年)において中国で構築された衛星・地上統合観測システムとモンゴルの永久凍土観測システム(平成18年度)の維持管理を行うとともに、東アジアをカバーできる温暖化影響観測ネットワークを構築し、環境資源情報の高精度・効率的計測手法を開発し、温暖化による環境資源、食料生産および食糧需給バランスへの影響要因を解析する。

研究の性格

  • 主たるもの:モニタリング・研究基盤整備
  • 従たるもの:行政支援調査・研究

全体計画

(1)衛星データを利用したアジア地域環境資源モニタリング: 中国新疆ウイグル自治区のウルムチ近辺に設置しているEOS/MODIS衛星データ受信システムによる現地観測を継続的に行う。
(2)MODISデータ基礎解析システムの開発・運用: MODIS受信システムから得られる大量のデータを保管し効率良く運用するとともに、地上観測データを活用し衛星データの検証・補正を行う。また、受信システムによる大量のデータを正確かつ効率良く処理するためのシステムの高度化を、MODISデータ高次処理プログラムの新たな開発と改良等によって実施する。
(3)温暖化影響地上観測ネットワークの拡張: 本プロジェクトでは衛星観測をより広い範囲に適応すると共に、地上観測ネットワークを既存の5地点に新たにモンゴルの永久凍土地域への地上観測システムの設置によって6地点に拡張し、東アジア全域を展開できる温暖化影響観測ネットワーク網を構築する。
(4)温暖化影響気候解明モデルの開発: 温暖化の影響評価を行うためのモデル開発を行う。これら、影響評価モデルは水循環・物質循環を基本とする物理的・化学的・生物的プロセス(機構)モデルから構成される。本事業で開発を行うモデルは、上述のプロセスを統合し、温暖化にともなう環境資源の状態や、自然劣化を予測できる。さらに、環境資源に依存した社会経済システム(特に食料需給バランス)への影響について、定量評価を可能とするモデルである。

今年度の研究概要

(1)衛星データを利用したアジア地域環境資源モニタリング: EOS/MODIS衛星データ受信システムによるモンゴルの氷雪被覆や地表面温度などの現地観測を継続的に行う。
(2)MODISデータ基礎解析システムの開発・運用: MODIS受信システムから得られる大量のデータを保管し効率良く運用するとともに、NIESで設置しているMODISデータ解析・基礎解析システムの運用を継続して行う。また、今まで整備したMODISデータ解析システムの容量の確保やシステムの更新を図る。さらに、永久凍土や陸域の炭素交換量及び植物生産量などMODISデータ高次処理プログラムの新たな開発と改良等によって実施する。
(3)温暖化影響地上観測ネットワークの維持管理と高度化: 既存の6地点の東アジア全域を展開できる温暖化影響観測ネットワークの維持管理を行うと共に、フラックス観測などによるシステムの高度化を図る。
(4)温暖化影響気候解明モデルの開発: 本事業で行うモデル開発は下記の通りである。
・地球温暖化に伴うモンゴル地域における凍土の季節変動予測モデルの開発
・地球温暖化に伴う畑地、水田、草地、森林、半乾燥地での純一次生産力に与える影響評価モデル開発
・地球温暖化による主要作物生産量(供給量)の変化予測モデル開発
・産業連関表等を用いた食料需要量を推定すると同時に、食糧需給バランスの推定モデル開発
(5)雑誌やホームページを通じて、外部に対して得られた研究成果の公表を行う。特に、衛星受信システムによって受信されたMODISデータについては、インターネットを通じたデータダウンロード等によるデータ提供システムの維持と管理を行う。

備考

再委託先:慶応大学(渡辺正孝教授)
共同研究機関:中国科学院生態ネットワーク研究センター・地理科学与資源研究所・亜熱帯農業研究所・西北高原生物研究所・新疆生態与地理研究所,モンゴル科学院地理研究所

課題代表者

王 勤学

  • 地域環境保全領域
  • 主席研究員
  • 地球環境学 博士
  • 地理学,地学,農学
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担当者